国際・地球温暖化問題に関する調査会
平成21年04月08日
○喜納昌吉君 飯田哲也参考人へ二点、質問したいと思っています。
地球温暖化対策として原子力へ誘導する意見に私も危機感を持っています。原子力には取り返しの付かないリスクがあると思っています。いただいた資料によると、長年日本の原子力の世界ともかかわってこられたようですが、日本の原子力の世界が権威主義的だと指摘されていますが、その原因をどのようにお考えになるかが一点ですね。
〔理事主濱了君退席、会長着席〕
もう一つは、自然エネルギー。エネルギー政策に官僚、省庁の縦割りがネックになっているとの指摘がありますが、本来、日本の運営を円滑にするはずの官僚がむしろネックになっているというのは今、様々な分野での共通の問題だと思っています。既得権益を守るために未来の人類益を損ねているというのは愚かと言うしかありません。飯田参考人から政治の側への提言で特に強調したいことはどのようなものがあるでしょうか。
この二点、よろしくお願いします。
○参考人(飯田哲也君) まず一点目、原子力の話ですが、原子力は議論するのはなかなかしんどいというか、まあ日本ではなかなか大人の議論ができにくいので、私も取りあえず、一応、今、既存の原子力は大事に使ってというふうに申し上げてはいるんですけれども。
まず、日本の原子力政策は、実は、二〇〇四年に六ケ所再処理工場をめぐって核燃料サイクルをどうするのかということで国を二分する議論があって、結局、日本はそれを進めるという結論を取ったわけですが、これはかなり、経済的にも環境的にも本当にそれは妥当な結論であったのかということは、これは従来の原子力そのものの推進と批判の立場を超えて実は様々なセクターから異論があったわけですが、それを押しつぶす形で六ケ所再処理工場が前に進んでしまった。実は、そこの最初のまずボタンの掛け違えをもう一度議論をやり直すところから始めないと既存の原子力をどうするのかという話が次に進まない。
既存の原子力も、実は最大の問題はいわゆる最終廃棄物、核燃料廃棄物ですが、これを果たして日本の中で、あるいはどこかで受け入れるところが合意形成可能なのかという話を今度始めようとすると、やはり入口論のところで合意ができないことにはそこの国民合意というのは絶対に私はできないというふうに思っています。
私自身、かつて原子力委員会、原子力安全委員会の仕事も内側でずっとお手伝いをしてきたんですが、本当に開かれた意味で実質的な議論がいまだかつて本当に行われたことが日本ではないわけです。やはり、それはどこかの時点で原子力はしていかないと、先ほど喜納さんおっしゃったいわゆる事故のリスク、そして最終廃棄物、そういったことを、あと本当に国民が納得する形でどこかで収めていくということは必要だと思いますが、これは本当に時間の掛かる話で、今、原子力委員会も真正面からの議論を逃げているという状況だというふうに思っております。
第二点目の省庁間の縦割りは、これは大きい話から小さい話まで無数にあるんですけれども、とにかく最大の問題は、今、温暖化政策とエネルギー政策がもう非常に深い溝があって、ここを政治が本当の意味で埋め切れていないということが問題です。
あれは、たしかブエノスアイレスかどこかで行われたCOP10だったかCOP11だったかですが、環境省と経産省が全く別のスタンスのペーパーを国際会議で配っていたといったところがあります。最近はさすがにそれはなくなりましたけれども、本当に一国二政府というのは、これはもう海外でも有名でありまして、そこをきちんと国内で収める。それも、変な方に収まると困るんですが、国際的な良識にきちんと従う形で、やはりエネルギーの構造改革まで視野に入れた形でそれを政治的にもきちんと収めていって進めるということが、とにかくもう徐々に時間切れというか、待ったなしになってきているんだと思います。
それが、先ほどちらっと見ていただいたクレジットの状況も、もう環境省が生み出したクレジットと経産省が生み出したクレジットが相入れない展開の形まで、もう民間経済にまで本当に深刻な影響を及ぼしているんじゃないかと思いますので、そういったところ、いわゆるミクロなところまで踏み込んだ筋の通った政治を是非していただきたいというふうに考えております。
