外交防衛委員会
平成20年11月06日
○喜納昌吉君 私は、民主党・新緑風会・国民新・日本の喜納昌吉と申します。
この際、皆さんの参考にもなると思いますので、防衛省の不祥事について、日ごろ不可解に思っていることを並べてみたいと思っています。
防衛事務次官だった守屋被告や防衛利権を支えた日米文化交流協会の秋山被告が絡んだ防衛利権事件は、検察が八月に捜査を済ませましたが、大物防衛利権議員の絡む利権の本質部分までは解明されずに終わっています。
防衛医科大学校では十月に教授が収賄容疑で逮捕され、防衛庁時代から続くタイヤなどの装備品の入札談合事件も明るみに出され、職員住宅の経費無駄遣いも報道されました。
防衛省情報本部の空佐が二〇〇五年に新聞記者に中国軍潜水艦の事故に関する情報を漏らしたとして、この十月に懲戒免職になりました。公共性の高い情報でありながら、防衛省は、防衛秘密を優先させ、公共の利益を損なわせ、報道の自由にも制限が及ぶおそれがあります。十月下旬にはイージス艦の機密が海自内部で漏らされた事件で幹部隊員が秘密保護法で有罪になった。これもまた行き過ぎた秘密主義や隠ぺい体質を助長するのではないかと思ってなりません。
陸上自衛隊について言えば、会計業務システム導入に関して一億一千万円が無駄になっていた事実が会計検査院の調査で十月に明らかになり、広島県内の陸自旅団ではパソコンにあった内部文書が流出するという不祥事があったばかりです。そして、航空自衛隊では、幹部隊員が二千八百万円の公金を横領した事件が明らかになり、海上自衛隊においては、イージス艦「あたご」が民間の漁船と衝突し沈没させ尊い人命を失わせておきながら、海自は、衝突の主な原因は漁船側にあるなどと悪あがきをしている。これは一体どういうことなのかと疑わざるを得ないことが起きています。
この問題の「あたご」は、九月半ば、高知県沖で国籍不明の潜水艦を発見しながら追尾に失敗し、見失いながらも、官邸への報告が遅れるという大チョンボを犯しています。
七月には護衛艦「さわゆき」の乗組員が放火して火災事件が起き、つい先日は、会計検査院の調査で海自がいわゆる埋蔵金ならぬ埋蔵銀を九億八千万円相当保管しているのが暴露されています。さらに、海自佐世保基地の護衛艦内で一九九九年、隊員が上官のいじめによって自殺したことが八月に福岡高裁で判断されているにもかかわらず、防衛省はいじめの存在を認めようとしない。余りにも社会の常識と懸け離れた姿勢は傲慢だと言わざるを得ません。
最悪の事件は、今年九月、除隊する隊員を海自隊員が、決して事故だとは思えない、十五人掛かりでなぶり殺しにした、殺人事件と呼んでもおかしくない、人権、人命を軽んじた戦前の日本軍と変わらないような重大事件が起きています。自殺が多いことも含め、人命軽視がまかり通る状況は、海自は軍隊組織として内部崩壊しているのではないかと思うほどです。
十月三十日には、海自硫黄島駐在の隊員が規則に違反して酒を飲み過ぎ、けがをして、海自の厚木基地からP3C哨戒機をわざわざ出動させ、その隊員を厚木基地まで運んだという不祥事がありました。十月十六日に発生しながら半月も隠されていたというモラル低下も甚だしい出来事が起きている。この往復飛行による輸送では、国民の税金であがなわれる一万一千リットルもの燃料費が使われたといいます。
過度な秘密主義によって生まれたこのようにずさん極まりない海自そして自衛隊組織を立て直すことなく、国益そして国際貢献の名の下に遠方の海、インド洋方面に出ていくなどおこがましいと思わざるを得ません。民主主義の制度上から情報公開が最も優先されるべきなのに、不祥事や腐敗を隠ぺいする深刻な問題を抱えた現状で、真の防衛や憲法に抵触する海外任務を主張するのはいかがなものか。そして、有権者、国民の知る権利にこたえず、秘密保護法を優先させ、自衛隊を運営していけば、戦前のような傲慢な軍隊に戻る可能性があり、原理原則であるシビリアンコントロールも壊され、もう守ることはできないでしょう。
さて、質問します。
最近の陸海空三自衛隊のごまんとある不祥事の一番であると思うわけですが、さきに起きた自衛隊の本質を象徴する不祥事が起こりました。十月三十一日の田母神俊雄空自幕僚長の更迭です。
まず、このような過去に呪縛された頭脳の持ち主が自衛隊のトップにいたことが信じられないということですね。この人物が四月、名古屋高裁が空自のイラクでの空輸活動は違憲と判断した際、茶化して、そんなの関係ねえと述べたとき、なぜ直ちに更迭をしなかったのか。防衛大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(浜田靖一君) お答え申し上げます。
その際には、御自分が御発言なさった件に関して、その後の記者会見において、御自分のその表現の仕方が極めて不適切だったので御自分で謝罪をして取消しをしたということを聞いておりますので、その際には処分を下されなかったというふうに聞いておるところであります。
○喜納昌吉君 その当時の防衛大臣はそれを軽く受け止めて問題はないと思っていたということなんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) その際は、記者会見の際に、御自分でその自らの言葉で発言をしたということに対して謝罪をし、そしてまた、その内容については、田母神航空幕僚長がその発言に対して、航空自衛隊が国会で決めた法律に基づき、政府の命令によって派遣をされていて、これ、判決というんですが、によって直ちに我々の行動に関係しないという意味であったとした上で、発言の一部の表現が不適切であったとの認識を示しております。
防衛省としては、本件については処分等の対応が必要であったというふうに判断しなかったということだと思います。
○喜納昌吉君 この田母神という人物は、以前から防衛省内で論文と同じ主張を繰り返しているんですよね。そういう暴言を吐くことでも知られていたんですけれども、なぜ空自のトップまで上り詰めていったという、歴代の防衛大臣たちはそれをずっと黙って見ていたということもあるんですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 基本的に、その都度御本人に指導はしてまいったと思います。そしてまた、基本的に発言の内容、趣旨というものを全部確認をして、それが処分とかそういうものに値するかということは常に考えてきたと思いますけれども、そのときにはそれに抵触しなかったということだと思います。
○喜納昌吉君 それと、その田母神発言というのは余り問題ではないという風潮があったということではないですか、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) いやいや、我々、逆に言えば、自衛官が必ずしもいろいろな考え方、そして御自分の要するに発言、意見というものを決して抑制するものではないので、その中の発言の中で、要するにそれが果たして、極めて大臣等いろんなことも含めて確認をしながら御判断をされていると思うので、その時点で大臣のお考えというのが、その部分ではいろいろな我々の持っている処分に該当するもの、そしてそれが問題になるというところを、範囲を、部分をそのときそのときで判断をされていると思うので、私とすれば、その当時の大臣の判断がどうであったか、それは、今先生おっしゃったように、大臣なりの判断の下で、そしてまたいろいろな規則の下で判断をされておるので、それがオーケーだということであれば、大臣の判断として、また組織としての判断としてそれは範囲内であるということを認めたのではないかなというふうに思います。
○喜納昌吉君 制服組の人事には政治家、背広組幹部は関与しない慣例があったと聞きますが、制服組の人事には政治家や背広組の幹部は関与しないという慣例があったという(発言する者あり)そうそう、そういう風潮があってそういうことが起きたということはないですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の件に関して言えば、幕僚長というような人事は、これはもう当然内閣の承認を得て私が任命することになっておりますので、そういう意味ではシビルが関与しておるのは当然のことでございますので、そういう意味ではしっかりとした管理の中で人事決定をしているというふうに思います。
○喜納昌吉君 浜田大臣は……
○委員長(北澤俊美君) 喜納昌吉君に申し上げます。
発言の際は委員長の許可を得てから発言をしてください。喜納昌吉君。
○喜納昌吉君 失礼しました。
浜田大臣になってからそういうしっかりしていくと思いますけれども、以前はどうでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) いや、これはだれであろうと私は変わらないというふうに思っております。
○喜納昌吉君 だれであろうと……
○委員長(北澤俊美君) 喜納昌吉君。
○喜納昌吉君 失礼、どうも。
だれであろうと変わらないということは、それだけ信頼しているということですね、仲間たちを、歴代の防衛大臣を。
○国務大臣(浜田靖一君) そうだと思います。基本的に、当然これは常に評価というのがあるわけでありますし、そしてその中で、特にこの幕僚長人事というのは閣議決定を経るわけでありますので、そういった意味においては大臣がという、だれがということではないと私自身は思っております。
○喜納昌吉君 我関せずという放任人事がもたらした今回の田母神という人物の大失態によって日本の国際的な立場を著しく損なわせたことを取り戻すためにも、今後直ちに政府は制服組人事で主導権を握るべきだと私は考えますけれども、防衛大臣、どうですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 我々とすれば、当然、今回の事案というのは大変、極めて重く受け止めておるところでございまして、その意味では今後も、今までも当然そのようにしてきたと思うわけでありますが、今回の事案を考えれば、当然これに対してしっかりと我々適正なというか処分をしたつもりでもございますし、その部分では、先生のおっしゃるように、今後そういった人事案件に関しても更に一層の、今までに瑕疵があったとは思いませんけれども、しっかりと更に厳しい目で見守っていきたいというふうに思っておるところであります。
○喜納昌吉君 今回の発言は、自衛隊が旧日本軍と思想上つながっていることを国際社会に示したと思います。これは国益の大打撃で、国連安保理の常任理事国入りの外交努力は数年前、特に数年前ですね、当時の小泉総理の靖国参拝の繰り返しによって非常に水泡に帰したということがあるんですね。田母神氏の完全に誤った発言は、またそれからの努力、常任理事国入りの外務省の作業の努力に更に水を差したというようなことを思わざるを得ないんですね。
国益の大損害とは、国益というものはやはりそのようなものだと思うんですけれども、それをやっぱり損害させたという気持ちはないですか、今回のこの田母神発言は。
○国務大臣(浜田靖一君) そういったことも併せて航空幕僚長の任を解き、そして我々とすればお辞めをいただいたということでございますので、その意味では、今御指摘のあった点というものをしっかりと我々自身も認識した上で今回の措置をとったということでございます。
○喜納昌吉君 田母神氏には退職金六千万円が支払われるという報道がなされています。国益をもし損なったならば、田母神氏には公益性も加味して退職金を大幅に減らすか、一切それを与えないとか、政府は対応することできますか。防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) 今回の案件に関しましては、国家公務員の退職手当法の規定に基づいて支給されることになりまして、その意味では現行の法令に基づくものであり、また、今回の件の重大性を考えれば自主返納ということが、私どもとしては本人の判断を待ちたいというふうに思っておるところであります。
今回の手続というものに対して一言付け加えさせていただくとすれば、基本的に十月三十一日に我々とすれば航空幕僚長の任を解かせていただきました。そして、実質上、航空幕僚長になった場合にはいわゆる定年の延長の手続を取って我々対応してきたわけでありますが、田母神幕僚長の場合には、七月が誕生日でございますのでそこでもう既に六十歳、定年ということになっておるわけで、航空幕僚長になっていたのでそれで定年延長の手続をしたわけであります。そうすると、六か月間この定年の延長が認められるわけでありますので、一月の末まで定年の期間が延長されるわけでありますが、あっ、六十二歳ですか、六十二歳なんですが、我々の方はそういった形で延長したわけであります。
その中で、要するに、基本的に、今回もしも我々とすれば懲戒免職というような形を取ろうとしますと、今までの事例からいきますと、こういった事案で辞める手続を取ってやりますと、大体これが一番懲戒免職で長いやつでいきますと十か月以上掛かるものが、なってしまいますので、そうしますとこの審理の手続をしている間に一月で定年が来てしまいますので、これを遡及をしていっても審理をしている過程の中でもう既に定年が確定をし、そこでもって退職金が払われることになってしまいますので、我々とすれば今回の事案の重要性も考え、我々とすれば、空幕長を辞めた時点で空将になったわけでありますので、その定年を延長せずにこの十一月の三日の日に定年という形でお辞めをいただいたということでございまして、そういう意味では、我々とすれば、今できる一番早い処分ということを考えたときに十一月三日の定年退職というのを考えさせていただいたところであります。
○喜納昌吉君 防衛大臣が非常に同朋のことに関して丁寧にやっていくということが分かったんですけれども、そのぐらい丁寧ならば、やっぱり自衛隊の内部も丁寧にさせていくという作業を僕はした方がいいと思うんですね。是非、浜田防衛大臣のこの丁寧さをしっかり教えてくれませんか。是非よろしくお願いしますけれども、自衛隊にね。
田母神氏は、今回の問題が発覚した後、防衛省からの調査要請を拒否したと報じられているんですね。これは、シビリアンコントロールを無視したとんでもない逸脱行為だと思うんですけれども、このことに関して防衛大臣はどう思いますか。
○国務大臣(浜田靖一君) 確かに今回の事案に関しましては、今先生御指摘のように、いろいろな部分で政府の方針とは違った発言が、というか記述がありました。
今、私に対して喜納先生の方から身内にというお話がありましたが、私はそのように思っておりません。大変、今回の案件に関しては、我々、閣議決定を受けて航空幕僚長というものになられた、そして、ましてやそのトップに立った人間が御自分の立場を省みずにそういったことをお述べになったということに対しては、極めて問題意識を持っておるわけでございまして、その意味では、今まで我々が努力してきた、多くの皆さん方が、隊員の皆さん方が懸命に努力してきた部分で、逆に言えば、自衛隊のトップがこのような発言をしたことによって隊員一人一人の思いというのがそがれるというのは極めて遺憾なことだと私自身も思っておりますので、厳しい思いで今回の案件に対処したいという思いがございました。
特に、幕僚長というのは確かにトップであります。それが降格をさせられたということになれば、当然これは大きな私は処分だというふうに認識をしております。本来であるならば、今回こういった形で幕僚長から空将に落とされた、降格ということになれば、御本人とすればその責任の重さというものを実感をしていただけるものと私は思っておりましたので、そういう意味では、御自分で御自分のお辞めになるというのを私自身も思っておりましたが、御本人はそうではなかったということでございまして、そういう意味では、私とすれば、しかるべく、一番早く自衛隊のトップとしての地位を降りていただいて、そしてお辞めいただくということがまさに責任を取っていただくことだと私自身は思っていましたので、処分の方はいろいろな部分がありまして、迅速にそれに対処できないことが考えられましたので今回のような措置をとらせていただいた。決して、私は、思いとして言わせていただければ、今回の件を許すまじという思いでしっかりと対処したつもりでございますので、その点だけは先生に御理解いただければというふうに思っております。
○喜納昌吉君 まあ厳しいと、遺憾と、厳しくやらなくちゃいけないということを申されているんですけれども、この遺憾というものと厳しさがどのぐらいの重みを持っているのかどうかが今後問われると思いますが、大臣に関してはね。
特に、防衛大臣は当初空幕長に辞任を求めたが空幕長が断ったため更迭したと明らかにされています。空幕長が辞任を拒否したのも、大臣が持っているシビリアンコントロールを無視した暴挙と私はなると思うんですね。ただ、そうなると、防衛省の一番トップがこうした、その支配下にある者にとっていえば、特に制服組、一番、武器も扱う人たちですよ、この人たちはね。そういう人たちが反抗するということは、もう本来防衛大臣が持っているシビリアンコントロールがほとんど壊されていることになると気付きませんか、どこかでは。
○国務大臣(浜田靖一君) そういうことでございましたので、お辞めをいただいたということだと思っています。
○喜納昌吉君 いや、それは、辞めさせたんではなくて、自分で辞めたんじゃないですか、彼は。
○国務大臣(浜田靖一君) 幕僚長に私が辞めろということを言ったわけでございますので、それは私のシビリアンコントロールとして、その方が要するに一刻も早くお辞めをいただくことが極めて重要だと思いましたので、今回のような措置をとらせていただいたということです。
○喜納昌吉君 まあ建前上はうまく保っていますけれども、防衛大臣のね。しかし、本音はどう思っています、防衛大臣。本音はちょっと少しかちんときているんじゃないですか、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) 当然、御自分のお立場というものをお考えになっていないということに対しては、大変、私とすれば、御自分の役職、そして今までせっかく積み上げてきたキャリアというもの、そして立場というものを御理解していただけなかったというのは、極めて私とすれば憤りを感じるところであります。
○喜納昌吉君 その憤りがあるならば、何というんですか、ボーナスをもうばしっと切るぐらいの憤りを出すことできませんか。(発言する者あり)退職金、ああ、ごめんなさい、退職金を切るぐらいの。
○国務大臣(浜田靖一君) 私とすればその手続が取れればそのようにしたかったわけでありますが、その懲戒免職の手続をしている間に定年が来てしまう。そして、そこでも同じように退職金が払われるということでありますので、逆に言えば、今回の措置をとらなければ空将としての地位にそのまま残られるわけでありますので、月々の給料はそのまま払われるということでございますので、更に一層のお金が掛かることになりますので、お辞めをいただくことにしたわけであります。
○喜納昌吉君 いや、月々の報酬よりもこの退職金の方がずっと大きいし、それよりも、やはりばしっとして浜田防衛大臣の態度を表明することの方がもっとこれは国益にもなるんじゃないですか。
○国務大臣(浜田靖一君) 私とすれば、航空自衛隊のトップを更迭したということ自体がかなり重いことだと私自身は思っていますので、私の思いはしっかりとそこに表されているというふうに思っておるところであります。
○喜納昌吉君 だから、浜田防衛大臣の今回のその処置に関しては、浜田防衛大臣も満足していると思われるはずなんですが、どうも国民としてはすっきりしないというのが残っていることは御存じですか。どうぞ、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) それは多分、この自衛隊、そしてまたそこにある官僚の制度の中で、いろいろな処罰規定、いろいろなものというものが国民の皆さん方にすべて理解されているわけではないと思っておるわけでありますが、しかし他の国でも、やはり階級制度は違いますけれども、大将から中将に降格するというのは軍人にとって大変不名誉なことだと思いますので、その意味においてはかなり重いものだというふうに私は思っています。
○喜納昌吉君 いや、だから、それは不名誉でありますけど、その効果はありますけど、要は田母神だけの問題ではないです、これは。そういう田母神が生まれてきたという自衛隊のこの体質の中にそれがあるからこそ、そこまで突き抜けるような、突き刺すぐらいの力が指し示されていないところに、浜田防衛大臣もまた今までの大臣と余り変わりはないんではないかという不信があるんですね。この辺どうですか、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) 少なくとも、今先生の御指摘のように、我々諸先輩の大臣が決して駄目というか、同じようになってしまう、同列ということになってしまうのではないかとおっしゃいましたが、私ども諸先輩方も一生懸命努力をされて、防衛省・自衛隊、多くの皆さん方に、国民の皆さん方の信頼に足るべき努力をしてきたと私は思っています。
今、私自身は、今回のような案件を御指摘をされるということになれば当然私自身を戒めて更に一層この厳しい思い、そしてまた逆に言えば、私自身も自衛隊員の皆さん方に信頼をされながら、そこにお互いの信頼の構築の上でこの自衛隊という組織を逆に言えば国民の皆様方に御理解をいただきたい、そういう思いで今回大臣にも就任したわけでございますので、それが足らざるところがあって、こういう今回のようなことが続けて起きていることに対して大変残念に思っておるわけでございますし、極めて私自身の力不足を感じるところでありますけれども、しかし多くの隊員は今も任務に一生懸命励んでいるわけでありますので、この隊員の皆さん方のその思い、そして士気というものをしっかりと保つべく、私自身も身を律しながら、今回、今先生の御指摘のあったようなことにならないように頑張ってまいりたいと思っているところでございます。
○喜納昌吉君 田母神という人物を空幕長に任命した任命責任はだれにありますか、官房長官。
○国務大臣(河村建夫君) 任命をされましたのは防衛大臣であります。しかし、閣議決定をしておりますから政府に、閣議で承認をいたしておりますから、最終責任は政府が負っているということになると思います。
○喜納昌吉君 そうであるならば、政府の任命責任は重いですよね。それじゃ、そのことを麻生内閣は責任をどう取るんですか、官房長官。
○国務大臣(河村建夫君) 先ほど浜田防衛大臣も答弁をされておりますが、今回の田母神前航空幕僚長の発言、文書、提出のもの、これは政府見解と明らかに異なる見解を公表したということ、これは自衛隊が厳格な文民統制の諸制度にあること、また航空幕僚長という立場を踏まえたものであれば極めて不適切である、文民統制上問題があるということで処分をされたということでありますから、文民統制上極めて問題が、この発言というものは文民統制上考えてみても問題があるという認識の下で処分がされたということ、これは極めて重い処分であり、また大臣自らも関係者の処分を実施をされている、防衛大臣も給与の一部を返納されたと、こういうことでその責任を取られたということ、これは極めて重い責任の取り方であると、こういうふうに考えております。
○喜納昌吉君 まあ重い処分だと言うんですけど、麻生総理は、問題発覚後、田母神論文は空幕長の立場上不適切だけで記者団に済ませているんですね。総理の受け止め方は私には甘過ぎて聞こえるんですけど、シビリアンコントロールが制服組トップによってじゅうりんされた重大な危機を含んでいるのに認識の欠如が総理にはあるのではないかということなんですけど、官房長官はどう思いますか。
○国務大臣(河村建夫君) 防衛省において十一月三日付けで田母神前幕僚長を退職させる、そして処分をされる。この問題につきましては、あの事案が明らかになった時点で麻生総理大臣から監督責任を明確にしろという強い指示があってこの処分が取られたと、このように承知をいたしております。
○喜納昌吉君 そのような不祥事は、僕は氷山の一角にしかすぎないと思うんですね。今後、潜在的にそういうものがあると想定できるわけですよ、これはね。そのことについて具体的な案はありますか、政府の中では、官房長官。
○国務大臣(河村建夫君) この事案に対して、総理としても極めて遺憾であるということで、防衛省においては、まずこの再発防止に向けて適切な対応をするようにということであり、また同時に、現在内閣において防衛省改革に対する検討がなされて、今それがまさに実行に移されようとしておりますから、そのことによってもう一度この防衛省の改革をきちっとやり遂げて国民の信頼を回復することこそ極めて大事なことだと、このように考えております。
○喜納昌吉君 その防衛省改革というものをよく聞くんですけど、具体的なものが見えてこないからね。是非、これはぐさっと刺すぐらいの、これはやはり武器を扱う団体ですからね、これがやくざと同じような体質を持ってしまうとこれは大変なことになる、はっきり言って。そうならないためにも、しっかりシビリアンコントロールのくさびを刺し込むというぐらいの力を今後出してください。よろしくお願いします。
私は、そういう体質の人物が、やはり制服組の高官の中にはまだ多数いるんではないかと思っているんですね。特にそういう一つの高官を生んでいく、特に防衛大学の中でも歴史教育というのが、どういう教育がなされているのか、その辺をやはり、防衛大のその教育課程とか科目、内容などを総点検すべきではないかと思っているんですけど、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) そういう意味では、今御指摘のありました点というのは、極めて我々も重要だというふうに思っております。
今、防衛大学校のお話がありましたけれども、我々とすれば、まず高級幹部としての職責が各々十二分に自覚することが極めて重要であったと思っておりますし、その自覚の涵養というのを徹底していきたいというふうに思っております。
また、隊員教育につきましては、自衛隊員が偏向した歴史認識を有することなく史実を客観的に理解し、強い使命感を保持することは、自衛隊が国民の期待と信頼にこたえ、適切に任務を遂行していくために必要不可欠であるとも考えております。これまでも幹部自衛官に対して、精神教育の一環として、歴史やシビリアンコントロールについて所要の教育を行ってきているところでありますけれども、今後とも、村山談話などの政府見解を踏まえた適切な幹部教育に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
御指摘の点をしっかりと肝に銘じて頑張ってまいりたいというふうに思っておるところであります。
○喜納昌吉君 また、一部の新聞報道によると、田母神氏は、空幕長が終わったら制服組最高位の統合幕僚長に昇進する可能性があったということなんですけれども、これは本当ですか、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) 田母神さんを統合幕僚長にという。
○喜納昌吉君 制服組の最高位の統合幕僚長に昇進する可能性があったということ。
○国務大臣(浜田靖一君) いや、そのような、まだ検討というか話はなかったと思います。
○喜納昌吉君 浜田防衛大臣は、なった時期ですけれどもね、ちょっと少し過去にさかのぼって調べてみたら、そういうことはあった可能性はないですか。
○国務大臣(浜田靖一君) いや、可能性としてはあったかもしれませんが、そういうことはまだ現実的になっておりませんので、もう既に今回のお話のように年齢的にもそういう定年のあれが近くなってきておりますので、統合幕僚長に、その選定の時期はどうか分かりませんが、可能性としてはあったかもしれませんが、実質的にはないということだと思います。
○喜納昌吉君 実際はもうお辞めになったので実質的にはないということは当然ですけれども、しかし、そういう方が統合幕僚長になるという可能性を秘めていたということが問題なんだ、これはね。
○国務大臣(浜田靖一君) 私の可能性と言ったのは一般的な意味で、選定の過程の中で要するにどういうあれがあったのかというのは、可能性というのはあったかもしれませんが、しかしながら、実質上それはなかったということでありますので、結局、結果的には統合幕僚長になられなかったということだと思います。
○喜納昌吉君 そこで一番危惧すること、大変危惧することは、そのような思想を持った人がやはり自衛隊の中での最高権力を持っていくシステムの中に非常に流れやすいという、一番その力を持っていくルートにいたということはどう思われますか。
○国務大臣(浜田靖一君) 基本的にそのお考えを、私がそのときの大臣ではありませんので、それなりにその中での評価、そしてまた総体的な評価の中で幕僚長までお上りになったというふうに思っております。
そして今回、そういうことを、御自分のお考えをこういった立場で言ってしまったということに対して私自身が対処したということでございますので、その当時の、先生の今おっしゃるようなお話というのは、これはまた私からどうこうということは言えませんし、逆に言えば、その時点での判断に対して私がちょっと今言えるだけのあれがないということであります。
○喜納昌吉君 特に海外に派兵、派兵と言っていいのか分からないですけれども、給油法案の問題でも、アフガンの問題でも、イラクの問題でも、非常に憲法に抵触するという感覚があるんですけれども、この辺の憲法を拡大解釈していく体質が、もしそのような思想信条に乗って、今の自民党政権の中にも、自公政権の中に反映されているということがあるならば、これは大変なことになると、私は大変なものだと思っていますけれども、この辺の反省点はありますか、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) いえ、我々は、あくまでも憲法に沿って、そしてその中で法律を作って、今回の活動に対しても国際的な協力のために活動しているわけでありますし、また自衛隊はあくまでもこれは当然のごとく法律の範囲内、そして憲法の範囲内で活動していると私自身は思っておりますので、そしてまた自衛隊というのはあくまでも国民の皆様方の視点、そしてまた法律というものに対してしっかりとそれを遵守することを行動の基本としておるわけでありますので、私はそこは疑いのないことだというふうに思っておるところであります。
○喜納昌吉君 疑いのないものと。少しは疑う哲学も持たないと、やっぱり一つのリーダーという資質は私は完成できないと思っているんです。是非、若干は身内に対しても疑いを持つ心を持ってください。そうすれば自民党も少しは国民から信頼を得る党になると思います。
この人事の習慣にしても、戦争責任について政府見解と全く異なる正反対の考えを浅はかかつ傲慢に表明したことは、シビリアンコントロール、文民統制です、文民統制が機能していないことを示しています。田母神氏は更迭された直後に、総理や防衛大臣に心配を掛けて申し訳ないと言いました。そこに田母神氏の思想の欠陥があるように思われます。日本国が戦後六十三年間、営々と築いてきた世界に誇る平和哲学を壊し、一番の被害者は日本国民であることを知らず、任命権者である総理や防衛大臣に当初はぐずりとも思われる突っ張りを見せながらも、泣きを入れたようなこの謝り方、そこに国家を守るという思想のもろさを見てしまうんですね。
私は、本当に国家、国益、そういうものを思えば、そういう精神構造をたたき直すぐらいの気持ちを持って防衛大臣は向かってほしいんですけれども、どう思われますか、防衛大臣。
○国務大臣(浜田靖一君) 私は、そういう意味では多くの隊員の皆さん方というものが自分の任務に邁進し、そしてまたそういう意味では日本国民の思いをしっかりと体現できる、当然これは日本国憲法にのっとり、そしてまた法律というものをしっかりと遵守し活動してくれるというものをお互いの信頼関係の中でしっかりやっていきたいというふうに常々思っておりましたので、そういう意味ではその部分を今後もしっかりと肝に銘じながら隊員とともに頑張ってまいりたいというふうに思っておるところでありますので、いろいろな先生方の御指摘等々を踏まえてしっかりやっていきたいというふうに思っておるところでございます。
○委員長(北澤俊美君) 時間が参りました。
○喜納昌吉君 どうも、またあと残りは後で質問します。よろしく。
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会・国民新・日本の喜納昌吉です。
午前中に引き続き、次の質問に移ります。
昨日の参考人質疑で、ペシャワール会の中村哲代表は、テロを根絶させるには軍事では不可能で、テロとの戦いという軍事優先主義の戦略は正しくなく、米国中心の軍事行動に追随することは間違いで、テロをなくすにはどうしたらよいかというアプローチこそが正しいと発言されました。
外務大臣、この発言についてどう思われますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) アフガニスタンにおきましては、各国が協力してこのテロとの戦い、また復興に取り組んでいるわけでありますが、進展は見られますけれども、まだまだ依然課題は残っております。治安の問題、それから麻薬の問題などあるわけでございますが、委員も御承知のとおり、我が国は積極的にこの復興活動に取り組んでまいりました。これまで難民の支援あるいは食糧支援等の人道的な支援のほかにも、治安、それから政治、復興、そういう幅広い分野で、NGOを通じました支援なども含めまして、委員御承知と思いますが、総額千六百億円以上の支援をやってきたわけですが、こういうような活動はアフガニスタン、また国際社会からも高い評価を受けております。
アフガニスタンを再びやはりテロの温床としないと。そのためには人道復興活動とともにテロ対策、治安対策、これをいつも申し上げておりますけれども、車の両輪のように行うということが重要でありますが、いずれか一方だけではなかなかアフガニスタンの平和は戻ってこない、そういうふうに思っておりまして、各国もそういう考えから、国際社会は部隊を増派するなどそういう懸命の努力を続けているわけであります。
そういうことで、中村さんの今御発言について委員からございましたけれども、テロとの戦いは非常に息の長いものでございますし、我々といたしましては、今申し上げましたような活動を継続していくということで一日も早い復興に向けての取組を行っていきたいと思っております。
○喜納昌吉君 質問は、テロとの戦いというこの言葉、戦いという、ではなくして、テロをなくすにはどうしたらいいのか、本質をどういう形で開いていくかということにあると思うんですね、中村哲さんの話は。一つ、戦いではテロは決して消えないという、それをどういう形でこのテロの根底にあるものを消化していくかという考え方がまだまだ政府の見解にはないんではないかということをおっしゃっていると思うんですね。この私の質問はちょっとわきに置いて。
政府は、海上給油活動と平和助成活動を車の両輪と今おっしゃいましたよね。じゃ、ペシャワール会がやっている、アフガンとかでやっている活動はどちらの方に属しますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) これは人道復興活動であると、そういうふうに認識しております。
○喜納昌吉君 分かりました。
日本政府は、海上給油や自衛隊の輸送活動といった軍事面の関与以外にどのような平和助成活動をしてきたのか、外務大臣、それならば。
○国務大臣(中曽根弘文君) もう一度質問、恐れ入ります。
○喜納昌吉君 日本政府は、海上給油や自衛隊の輸送活動といった軍事面の関与以外にどのような平和助成活動をしてきたのかを教えてください、外務大臣。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども申し上げましたけれども、海上給油支援活動のほかには、難民の支援、それから食糧の支援、人道支援、そういうような活動、それから政治的な分野等でNGOを通じました支援も含めて活動しております。
○喜納昌吉君 伊藤さんの死を賭して活動する志と、ペシャワール会などの少ない予算で地域に貢献している活動をどう評価されているか、外務大臣。
○国務大臣(中曽根弘文君) 現地で本当に危険な状況の中で活動されているNGOの皆さんのそういうことに対しては、本当に敬意を表し感謝をしているところでございます。中村氏を始めとする日本のNGOの皆さんもそういうような活動を行っておるわけでありまして、私たちは、そういう御自分の命も顧みずにアフガンの平和のために活躍している人たちの活動の環境が少しでも良くなるようにと、そういう点も配慮をしていかなければならないと思っております。
○喜納昌吉君 私は、自衛隊がペシャワールの会の志とか伊藤さんの魂を引き継げば、自衛隊も非常にすばらしいものになるのになと思っていますね。本当に自衛隊以上の僕は苦労をなさっているという感がするんですね。だから、ある意味では自衛隊は甘えちゃいけないという感がしますね、私は。そう思っています。
膨大な予算を使いあらゆる権力を持たされている今の自衛隊の在り方と、限られた予算で権力を持たず地元の心をくみ上げながら活動をするペシャワール会を始めとするNGOの貢献の在り方との違いを、外務大臣、教えてください。
○国務大臣(中曽根弘文君) 自衛隊の補給支援活動は、もう委員も十分御承知のとおり、インド洋のあの地域における海上の安全のために、例えば麻薬の問題、あるいは海賊の問題、あるいは武器の輸送の問題等々の、そういうものが行われないように、かつ、そこを通る日本の原油を積んでくる船、そういうものが安全に航行できるようにというような活動でございます。
ペシャワールの皆さんを始めとするNGOは、もうこれも先ほどから申し上げておりますように、本当に貴い志を持ってアフガンの現地において日々御苦労されていると、そういうふうに認識しております。
○喜納昌吉君 外務大臣は十月三十日の当委員会で、柳田委員への答弁の中で、自衛隊は憲法上必要最小限の、限度を超える実力を保持しないという制約が課されていると言いました。
世界百九十二か国の多くが持つ軍隊の大多数はMDなど全く無縁の軍隊がほとんどですが、巨額の金が掛かる、したがって利権の塊のようになっている最新型の宇宙兵器とも呼ぶべきミサイル防衛、MDシステムを自衛隊が導入している事実は、必要最小限の限度を超えているのではないでしょうか。外務大臣、明確に答えてください、簡単に。よろしくお願いします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 前にも申し上げたかと思いますが、自衛隊というのは憲法上必要最小限度を超える実力を保持しない、保持し得ない、そういうような制約を課されているわけでありまして、今委員がおっしゃいましたけれども、現在の自衛隊の装備あるいは活動は、私はこれは適当なものだと、そういうふうに思っております。
○喜納昌吉君 麻生総理も格差をなくすと、民主党のようにおっしゃり始めているんですけれども、MDに掛ける予算をNGOの平和助成活動に回せば、両輪の一つである最も有効な人道支援活動が私は行えると思っているんですね。ひいては、そのような流れから健康的なシビリアンコントロールが生まれてくると思いますが、外務大臣、どうですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 申し訳ありません、ちょっと最後が聞き取りづらかったのですが。
○喜納昌吉君 最後の方、もう一回言いますね。
麻生総理も格差をなくすと言っているんですね。その観点から見ても、MDに掛ける予算をNGOの平和助成活動に回せば、両輪の一つである人道支援の最も有効的な私は活動ができると思っているんですね。そのような流れから健康的なシビリアンコントロールが生まれてくるという考え方はないですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 自衛隊の活動とNGOの皆さんの活動というのは、今回のアフガンの問題に関しては、アフガニスタンの一日も早い平和、それから復興という目的では一緒でありますが、本来、自衛隊に係る費用というものは国全体の安全保障のための費用でありますし、NGOの皆さんはNGOの皆さんで本当に限られた予算の中で努力されていると思いますが、さっき申し上げましたように、政府としてはNGOの皆さんの活動がよりいい環境でできるようにという支援をするというのが仕事ではないかと思っております。
○喜納昌吉君 どうもありがとうございました。また次に質問をさせてもらいます。
