外交防衛委員会
平成19年06月07日
○喜納昌吉君 今日は、イラク特措法延長法案について質問します。
イラクのマリキ首相は、五月四日、エジプト国内で共同通信と単独会見を行い、イラクでの航空自衛隊の輸送支援活動は年内にも不要になるという趣旨の発言をしました。麻生大臣は、五月七日の衆議院イラク復興支援特別委員会で、イラク政府を通じて派遣継続の要請は不変という真意を確認したと述べました。
麻生大臣、マリキ首相がなぜ共同通信にあのような発言をしたのか、この矛盾をどう解釈したらいいのか、答えてください。
○国務大臣(麻生太郎君) マーリキー首相からこの種の話がありましたのは、来日をされたときに、これは私に限らず面会された方は聞かれたんだと思いますが、少なくとも、これまでの日本の陸上自衛隊、航空自衛隊の実績等々を高く評価されて、是非航空自衛隊については引き続き支援を継続してもらいたいと本人から伺ったというのがたしか三月、それを正式に記者発表されたというのが経緯と。記者発表の経緯は多分そうだと存じます。
○喜納昌吉君 だから、その矛盾をどう解釈しているんですか、その矛盾。どうもマリキ首相の言いたい思いと麻生さんに、大臣に言ったことは、どうしても私の中では消化できないんですけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 矛盾しているという、どこが矛盾しているのかあれだと思いますが、年内は不要になる旨の発言があったと報じられておりますが、私どもは、これは五月の六日、バグダッドにあります我が方の大使館が、ムハンマド・サルマーンというイラク首相府官房長代理がおりますんで、この人に対して我々は確認をいたしております、その本人に対して。その確認をした結果、マーリキー首相は、あくまで物事が順調に進めば近い将来にはイラクに多国籍軍がいる必要はなくなろうという希望を述べたにすぎず、航空自衛隊の活動継続を求めるとの従来のイラク政府の立場は何ら変わっておらず不変である、イラク政府としてはこれを可能とする法案が日本の国会で承認されることを願っておるという説明をいたしておりますので、今申し上げましたように、イラクの首相の発言とこの後のいわゆる補足というか、代理人の確認ということで、我々と意見は違っていないと思っております。
○喜納昌吉君 分かりました。
今年五月八日のイラク議会は、百四十四対百三十一で、これは述べ二百七十五の中なんですけれども、米軍の撤退要求決議を採択しました。撤退を望む意見が初めて過半数を超えたそうです。その事実からすれば、日本政府のイラク支援は、イラク政府よりも米政府の意向で行われているということはないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) もう一回最後のところを。イラク政府……
○喜納昌吉君 イラク政府よりも米政府の意向でなさっているんじゃないかという。麻生大臣のこの言葉はね。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、我々はイラク政府というより国連の決議に基づいてこれは支援しているわけですから、国連のいわゆる依頼、国連の支援要請に基づいて対応しているんでありまして、イラクの人道復興支援等々に参加をしているというのが基本的立場であります。
○喜納昌吉君 国連ですか。分かりました。
内閣官房、外務省、防衛省が出したイラク特措法についてという文書には、イラクの治安悪化の状況が簡単に描写されていますが、それを招いたのは、米軍などの無謀なイラク侵略戦争だったとの認識はないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) イラクの中において今の現状を見たときに、少なくとも前にあった政権が倒れて、イラク国民によって選挙をやって、選挙によって選ばれた人によって憲法が制定され、その憲法に基づいて行政府ができて、そこで選ばれた人たちによって今政権が少なくともそこに存在をしておるという状況にあります。したがって、ここに明らかに民主的な政権ができておるという。基盤が弱いということに関しましては、私どももそう思っておりますが、基盤が弱いということで結果として秩序が、セキュリティーが、いわゆる安全保障がという点に関しましては多々問題はあろうとは思いますが、少なくとも前に比べて独裁政権の方が良かったという感じは率直なところありません。
○喜納昌吉君 それじゃ、麻生大臣は、アメリカの失態はないというお考えなんですね。アメリカのその強引なイラクへの介入というものが反省する点はないということですか。
○国務大臣(麻生太郎君) イラクのいわゆるこの種の話につきましては、国連の一連の決議に基づいておりますので、そこのところが大前提として違うと思いますが。
○喜納昌吉君 マリキ首相とのこのやり取りなんですけど、航空自衛隊の活動が死活的役割を果たしているというマリキ首相の書簡の内容の一部が紹介されています。その書簡はマリキ首相から日本側にいつ届けられたんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) マーリキー首相発安倍総理あての書簡は、平成十九年三月十二日付けであります。
○喜納昌吉君 これは麻生大臣、日本側からマリキ首相に書簡を書いてくれと頼んだことはないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 想像するゲームとしては面白いと思いますけれども、ありません。
○喜納昌吉君 そういうこともやってしまうのかなと思って、どうも失礼しました。
共同通信のインタビューで、マリキ首相は、日本には経験と技術を生かした文民の分野での復興支援を求めると発言していますが、どのように受け止めていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはイラクに限った話ではありませんけれども、少なくとも日本という国に対する中近東と言われる地域に共通して言える日本に対する感情というものは幾つか共通していると思いますが、大きく分けて三つだと思っております。
一、少なくとも西欧物質文明、近代化の波に流されることなく自国の文化を維持、そして資源がない、中近東と違って、にもかかわらず世界第二の経済大国というのが、いろいろな中近東諸国を回って、ほとんどの国々の日本に対するイメージはそういうイメージであります。マーリキー首相もその例外ではなかったということだと存じますが、技術を特に期待をしておるというのが率直なところだと存じます。
○喜納昌吉君 相手側の気持ちの説明は分かりますけどね。先日の櫻井議員の質問に対し、国際的には自衛隊は軍隊にしか見られないという答弁がありましたね。私もそれはそのとおりだと思っています。マリキ首相の発言の真意を酌み取るならば、自衛隊に代わるNGO、民間人による人道復興支援に変える時期に来ているんではないかと私は思って質問しているんですけど、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 自衛隊に代わってNGO等々、JICA、いろいろありましょうけれども、民間のいわゆる企業、団体、個人が出ていくのが望ましいということに関しましてはこれは皆同じだと思いますが、問題は、日本国政府をして民間人に危険を顧みず行けというようなことを我々として民間の会社に命令するわけにもいきませんし、我々としては、イラクの人道復興支援に寄与する、貢献するという前提に立った場合、そこに行ける技術、経験、団体というものはほかに適当なものがないということがその背景なんだと存じます。
○喜納昌吉君 この辺ですけれども、僕はもうちょっとこの辺は、そういう短絡的に、もうそういうことは、それ以外はないという考え方は少し変える時期に来ているんではないかと私は思っているんですけどね。まあそれはまた後ほどゆっくりお話ししますが。
久間大臣、イラクから多くの国が撤退をしていますが、イラク特措法についてという文書には、多国籍軍が早期撤収する可能性は低いと書いてあります。その根拠は何か。
○国務大臣(久間章生君) もう一回、済みません。
○喜納昌吉君 多国籍軍が早期撤収する可能性は低いと書いてあるんですけれどね。
○国務大臣(久間章生君) どこにですか。
○喜納昌吉君 イラク特措法についてという文書には。低い、その根拠は何か。
○国務大臣(久間章生君) どこに書いてあるんですかね。
○喜納昌吉君 イラク特措法についてという文書にですね。多国籍軍が早期撤収する可能性は低いという。
○国務大臣(久間章生君) 防衛省が出した文書ですか。
○喜納昌吉君 そうです。文面に。もしなければ、私が読み違えたんならばいいですけど。
○国務大臣(久間章生君) 低いとか早いとか、そういう判断は防衛省としてはしてないはずですけれども。防衛省としては、とにかくあと二年間延長してもらっている間にどうなるか、いつでも対応はその中ではできると、そういうような思いでありますから、そのときは基本計画の変更をやればいいと思っております。
○喜納昌吉君 分かりました。後で確認します、もう一度。
イラク特措法に基づく対応措置に関する基本計画では、その基本方針で、人道復興支援活動を中心とした対応措置を実施するとしております。しかしながら、イラクにおける航空自衛隊の活動内容は、国連支援や人道支援物資などの輸送を行う人道復興支援活動から、全体の八割が米軍を中心とする多国籍軍の人員、物資の輸送であることを安倍総理は明らかにしました。これはもはや人道復興支援活動ではなく、米軍支援活動そのものと言わざるを得ません。その状況は基本計画に背くものではないでしょうか。久間大臣。
○国務大臣(久間章生君) 多国籍軍も人道復興支援活動を行っている部隊もおりますから、だから、多国籍軍を運んでいるからといって、人道復興支援じゃなくて安全確保支援活動だけだというふうにレッテルを張られても困ります。それと、人道復興支援を中心としてというのは、人道復興支援に支障のない範囲で安全確保支援活動ができることになっておりますので、やっぱり主たる目的というのは人道復興支援が中心ですから、人道復興支援に支障を来すような格好で多国籍軍のそのほかの安全確保支援活動ばっかりやったらいけませんけれども、人道復興支援活動の方の余裕があるときにはこちらの方もやる、法律上は両方やれることになっておりますので、だから両方をやっているわけであります。
○喜納昌吉君 これは、本当の心、本当の思いでおっしゃっていますか。
○国務大臣(久間章生君) いや、本当の思いといえば実際本当の思いでありまして、人道復興支援活動をとにかく手一杯やりたいわけですけれども、そこのところは今余裕もあります。そして、その余裕がある分においてはこちらをやってよろしいとなっておりますので、そっちの方のウエートがこれから先どんどんどんどんもう治安が安定してきて増えてまいりますと、そっちの方の物資の輸送その他で手一杯のときは片一方の方を遠慮してもらうということになりますが、そちらの方をむしろやるために、こっちを、人道復興支援をおろそかにするということじゃありませんので。
○喜納昌吉君 僕は、久間大臣は長崎の出身でもあるし、たまによくトイレで一緒に立って会話しながらさすがだなと思うときもありますけど、やはりアメリカに少しは気を遣っているのかなと思ったりもするんです、どこかではね。だから、この辺をだれか勇気を持って最初に、何というのかな、発言してくれるかを待っているんですけれども、そうしたら日本変わるんじゃないかと思っているんですけれども、当分そう聞いておきましょう。
久間大臣、もう一度聞きます。
五月十四日、イラク特措法改正案の採決に際し、当時の政府判断の検証など、政府に求める附帯決議を行いました。翌日の記者会見で久間大臣は、イラク戦争を支持した当時の政府の判断について、いつでも過去について真摯に検証していくのは大事なことだと述べ、検証が必要との認識を示しました。しかし、大臣は、四月二十六日の衆議院の委員会で、イラク戦争について正当かどうかは後世の歴史家が判断すると答弁をされています。検証は後世の歴史家に任せるお考えですか。
○国務大臣(久間章生君) すべて歴史の判断については、ある程度時間を経過した後に判断しないと正確を期すことができないんじゃないかなという、基本的に私はそう思っております。だから、本当に正しかったかどうかというのは、今は、そのときに日本側が踏み切ったわけじゃありませんから、アメリカが踏み切ったときに日本は日本が置かれた立場からしてあれは支持するとそのときの政府が言ったわけであります。しかしながら、日本政府としても自分が戦争に踏み切ったわけじゃありませんので、アメリカが踏み切ったことが良かったかどうかということについては後世の歴史家がやっぱり後で評価するべきことじゃないかと、そういうふうに思っておるからそう言ったわけであります。
○喜納昌吉君 今、アメリカが踏み切ったということ、日本が踏み切ったことではないと申されまして、実際日本はそれに参加していますよね。
○国務大臣(久間章生君) 参加していません。
○喜納昌吉君 いや、何らかの形でね。
○国務大臣(久間章生君) そこのところを勘違いないように。日本は戦争そのものには参加していませんから、戦争が終わって、そして復興について国連から要請があって、そのときに自衛隊が出ていくかどうかについて、そのときに賛成ということで法律を作って出たわけでありますから。
戦闘を戦争と言って衆議院で随分しかられましたので、今の戦争という言葉、訂正させていただきます。
○喜納昌吉君 久間大臣、踏み切ったというのはどういう時点で踏み切ったと言っているんですか、アメリカが踏み切ったというのは。
○国務大臣(久間章生君) いや、アメリカは武力行使に踏み切ったわけですね。そして、それはアメリカが踏み切ったわけで、そしてそれを小泉総理のときの政府として支持しますと政府として判断したわけです。そして、現在の政府もそのときはそういうふうに支持したというのは正しかったというふうに言っているわけです。現在の政府もそれを踏襲しておるわけです。
○喜納昌吉君 久間大臣は、今政府として踏襲していると言うんですけど、個人としてどう思いますか。
○国務大臣(久間章生君) 私はこの場では政府の一員として答弁しているわけでございますから、個人の判断をするわけにはまいりませんけれども、私はそのとき、やっぱり日本の政府は、今私はこの立場におって言いますと、やっぱり日本の政府としてはあのときのアメリカの武力行使を支持しないとは言えないような状況だったんじゃないかと。フランス辺りと比べたときに、日本のあのときの経済状況その他を考えると、やっぱりアメリカの武力行使を支持するか支持しないか、二つに一つだったときに、小泉総理は支持すると踏み切った。時の政府もそう判断した。私は、やっぱりそれは正しかったんじゃないかと思います。あのときに支持しないという選択は日本にはできなかったんじゃないでしょうか。
○喜納昌吉君 支持したことは正しかったということは、日本の国益の判断なのか、アメリカの行為に対してのどちらですか。
○国務大臣(久間章生君) 日本の国益としてそのような判断をしたんだと思います。
○喜納昌吉君 では、アメリカの行為としては間違った可能性もあるんですね。
○国務大臣(久間章生君) アメリカはアメリカの理由で武力行使に踏み切ったわけですから、それについて日本がどうだこうだと言う立場じゃございません。だから、そういうことについてはアメリカ自身の後世の歴史家が、あれは良かったかどうか、また向こうは向こうで判断することじゃないでしょうか。
○喜納昌吉君 日米同盟を結んでいるのにあそこはあそこの勝手ということでは、どこに同盟という信義があるのか私はちょっと疑問があるんだよね。それはなぜかというと、たくさんの日本国民の税金も使って投下したんだから、日本は。それは言うべきことははっきり言うべきだと思う。そして、久間大臣には未来に逃げることはやめてほしいような感じがしますね。
○国務大臣(久間章生君) 武力行使に踏み切ったとき政府が支持すると言いましたけれども、それについて税金を突っ込んだわけじゃありませんから。税金は戦争が終わって、復興支援について税金を突っ込んで自衛隊が出ていったわけでありますから。
○喜納昌吉君 それじゃ、サマワに行った自衛隊の予算はアメリカが出したんですか。
○国務大臣(久間章生君) だから、サマワに行きましたときはもう主たる戦闘が終わって、国連から復興について要請があって、国連が決議をして世界各国に呼び掛けたわけです。それを受けて政府が法律を国会に出して、それを受けて出ていったわけですから、武力行使へ踏み切ったときに日本が出ていったわけじゃありませんので、そこのところはいつも言っていますようにインド洋と違うということを是非御理解賜りたいと思うわけです。
○喜納昌吉君 確かに理屈にはなっているよね。ただしかし、支持したことは事実と。たまたま私はこれ税金の話をして、まあそれをよくつかまえたなと思っているんですけどね。支持した事実というのはこれはどうですか、その道徳的なモラルとして。
○国務大臣(久間章生君) やはり国益として日本国の政府としてどちらを取るかで支持するという判断をしたわけでありますから、その重みは今も生きていると思います。
○喜納昌吉君 本当ならば、後世の歴史家に任すんではなくして麻生大臣がしっかりこうだったんだと言えば、私はすごいなと思うんですけどね。麻生大臣、二月二十一日の衆議院イラク復興支援特別委員会において、イラクが内戦状態ではないのかとの質問に対して、麻生大臣は内戦の国際法上の定義はございませんと述べ、内戦といえば内戦になってしまいますし、内戦でないといえば内戦にならないと答弁しております。この発言は内戦かどうかの判断は政府が勝手に決められるということですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 内戦というのは国際法上内戦というディフィニション、定義というものは存在をしておりません。したがって、内戦ということがどれをもって内戦だと、じゃ、これは内戦じゃないのかという定義はない、そこが私の申し上げたところです。
○喜納昌吉君 そこを聞きたかったんですね。定義がはっきりしないということね。
それじゃ、はっきりしない状況にはっきりした法案を提出することはいかがなものかという疑問が私にはあるんですね。結局内戦であるか内戦でないかはっきりしないところに今回、何というのかな、自衛隊を送ったりするのはいかがなものかという一つの疑問があるんですね。私はそこに今日の憲法の理念と法の解釈の乖離があり、拡大解釈の暴走があるんではないかと思っているんですけれども、どうですか。
○国務大臣(久間章生君) 私は、そういうような状況であるからこそ戦闘状態にない地域を選んでそこに自衛隊を派遣するという、要するに非戦闘地域に派遣するという形で憲法上、法律上の整理をしていると、そういうふうに理解しております。だから、内戦状態であるような状態のところには自衛隊は行かないと、自衛隊はあくまで非戦闘地域に行くというそういう整理の仕方をしているわけであります。
○喜納昌吉君 麻生大臣は内戦だか内戦ではないかというのははっきりしないと言っているんですが、それじゃ、久間大臣は内戦ではないとはっきり言い切っているんですか。
○国務大臣(久間章生君) 国全体あるいはまた国の中のある一部の地域についてそこが内戦であるかどうか、それについては私も断定できませんけれども、少なくともバグダッド空港に今行っておりますあの地区については内戦状態ではない、戦闘地域ではない、非戦闘地域であると、そういうふうに判断できるんじゃないかと思います。
○喜納昌吉君 それはちょっと、こういう理屈って、へ理屈ということになりません。あそこの大統領のトイレでは戦争がありませんという話と変わりはないと私は思いますけれどもね。
今はイラクが内戦であるかないかを話しているんであって、どう思います、これのはっきりした答え出してくださいよ。あの地区だけをとか、そんなことを言っても分からないんですよ、これは。
○国務大臣(久間章生君) 内戦という国際法上の定義はどうか分かりませんけれども、少なくとも私は、イラクは両極が対峙した形でのいわゆる紛争状態にあるとはいまだに私は思いません。ただ、治安が非常に悪いという、そこについてはだんだん悪くなっているという、そういう地区が非常にあるということについては私自身も分かりますけれども。
○喜納昌吉君 私は、まだ麻生大臣の言葉の方が信頼できますね。内戦であるか内戦でないかはっきりしたものは分からないという、定義ができないという。しかし、そこで久間大臣は内戦ではないという、言い切ることは少し、もうちょっと外務省と防衛省は言葉をすり合わした方がいいんじゃないでしょうかね、そういうような感がします。よろしくお願いします。
私は、イラク開戦議決前の二〇〇三年二月十四日から数日バグダッドに行ったんですね。あそこで平和コンサートをやりに行ったんですけれどもね。バグダッドには、あのときちょうど開戦を止めようという人たちが世界じゅうから、ヒューマンシールドとか、人間の盾、いろいろな人たちが集まって、世界でワールド・ピース・ナウという反戦運動が広がったんですね。一時は三千万人ぐらいの人たちが立ち上がったんですけれども、私はそのうねりを感じたときに人類の未来を感じたんですね。
私は、そのような精神、魂をくみ上げる政治がこの地球上あるいは世界から生まれてこないと平和は来ないんじゃないかと思っているんですけれども、その辺に対して、これは外務大臣がいいと思うんですね、よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話というのは、ヒューマニタリアン、何ですか、ヒューマニティーにのっとった政治というものが基本であるべきだというように理解をさせていただくという前提に立ってしかちょっと答弁のしようがないんですが、少なくとも、今多くの政治家は多分そう思って、自分なりにそう思っている人がほとんどだと思いますよ。
ただ、現実問題として、いざ実行に移していくときに、なかなか結果としてそのような方向とは逆の方向になる例も往々にしてあるということだと思いますので、元は多分、いろいろな独裁者と言われた人たちも、かつては国民のため、国益のためと思って信じてやったんだけれども、なかなか結果はそのようなことにはならなかったということじゃないかと想像します。
○喜納昌吉君 でも、少しは何か未来を感じましたね、今の言葉に。
さっきちょうど自衛隊が写真を、ちょっとこれと関連するんですけれども、写真をたくさん撮ったというね。そのときに私も撮られたと思っているんです、考えてみたら、目立っていましたからね。僕は、そのときに、たくさんカメラマンがあったんですけれども、カメラとか写真とかね、写真家がいてね、これは翌日たくさん大きい記事になるなと期待していたら、載らないんです、これ。ということは、あれは全部自衛隊だったんでしょうかね、久間大臣。久間大臣、聞いているんです。(発言する者あり)いやいや、東京で。
○国務大臣(久間章生君) いや、私には分かりません。
先生の写真が写っているのかどうか、共産党さんからいただいた資料をつぶさに見ているわけじゃございませんので。
○喜納昌吉君 絶対撮られていると思います。もし撮ってあるならば、僕も欲しいなと思っていますのでよろしく交渉してください。
麻生大臣に聞きます。
日本の外交の指針というのは日米同盟と国連を中心とする国際協調主義ですが、今でもそれは変わりませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、戦後、日本が外交というものを考えるようになったとき以来、日本のこれまで立てておりました柱は三本だと思います。日米基軸、国連中心、近隣諸国との友好、この三つだと存じます。
○喜納昌吉君 分かりました。近隣諸国、大いに勉強になりました。
その意味では、国際法とか国連憲章に関しては非常に大事だと思っていますか、麻生大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 国連には、我々、百九十二か国の国が今国連に加盟をいたしておりますが、日本もその中の一国であって、国連憲章というものは、それに賛成して入っておるわけですから、憲章というのは極めて大事なものだと存じます。
○喜納昌吉君 分かりました。
麻生大臣、ちょっと済みません。難しいことをちょっと僕は帰ってきて勉強して質問することになっているんですけれども、非常にこの辺は間違うこともあると思うんですけれども、ゆっくり聞いてください。
三月八日の予算委員会で、イラク開戦の根拠を尋ねる私の質問に対して麻生大臣は、イラク開戦は国連決議にのっとったものだと答弁されましたね。ブッシュ大統領が開戦の根拠としている国連決議六七八、六八七、一四四一のことを指していると思いますが、一四四一は欧州勢の反発で武力行使まで言及されなかったため、後に米、英、スペインは新たなイラクへの武力行使を行うための国連決議を提出しています。しかし、フランス、ドイツなど欧州勢の強い反対でその決議の採択は断念されました。新たな具体的な国連安保理の承認なしに武力を行使することは国際法違反であるという法見解が多くの国際法の専門家によって指摘されています。国連アナン事務総長も、もしアメリカ合衆国らが安保理の枠外で軍事行動を起こした場合、それは国連憲章の理念と符合しないものになると言っています。
それにもかかわらず、アメリカのイラクへの武力行使を支持したのは、この国連憲章を大事にする見地からどう思われますか。よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、まず一四四一、六七八、六八七と言われましたけれども、この安全保障理事会は、安保理決議の一四四一号において、いわゆるイラクが湾岸戦争の停戦条件というものを定めた六八七というものを含みます、これはいわゆる関連諸決議と言われるやつの義務、これは六八七ですよ、六八七の重大な違反を継続的に犯しているということを、この安保理は全会一致で決定をいたしております。
○喜納昌吉君 これは、いいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと待ってください。答弁中だと思いますので、御質問には後でお答えさせていただきます。
また、イラクに対して武装解除の義務というものを履行する最後の機会というのも与え、長ければ十二年ぐらい掛かったと思いますが、あったと思います。しかし、御存じのように、イラクは一四四一で求められております武装解除等の義務を全く履行しませんでした。この点は、国連の査察団によります安全保障理事会への累次の報告で極めて明らかにされております。
したがって、決議六八七の重大な違反が継続的に生じていたということでありまして、同決議に基づいていわゆる湾岸戦争の停止の基礎が損なわれておりますので、戦争開始前に加盟国に対しては、あらゆる必要な手段を取る権限を与えた、いわゆる決議六七八号に基づいて武力行使が正当化されるということになろうと存じます。
このように、イラクに対しまして、武力行使というものに対しましては、いわゆる国際の平和と安全というものを回復するという明確な目的のために武力行使というものを認めるという国連の憲章第七章というのがございますが、第七章の下で採択されました六七八、六八七及び一四四一というものを用いまして、国連安保理決議によって、国連安保理決議によってですよ、決議によって正当化されると考えておりますので、私どもとして、今御質問のありましたように、国連の決議にきちんと基づき、また国連憲章第七章にも基づき私どもはこの決断をしておりますが、基本的にはアメリカとかイギリスとかそういった国々のいわゆる見解というものとも一致をいたしております。
○喜納昌吉君 今の見解は、それは日本政府の立場からですか。六七八と六八七と一四四一が特に、まあそれ以前に六六〇もありますけれどもね、これを三つまとめての根拠ですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、順番がこれだったからこうなったというちょっと順番がありますけれども、基本的にはその三つを総合して最終的に……
○喜納昌吉君 三つ総合して勘案したということですね。
○国務大臣(麻生太郎君) というように御理解いただければと存じます。
○喜納昌吉君 それでは、この三つについてちょっと一緒に話を持っていきたいんですけれども、国連憲章では国が戦争を起こす理由として許されているのは、自衛権と安保理決議による集団安全保障の行使の二つだけということは申し上げられましたよね。そのとおりですよね。
これ全部読んでいきますと、六七八にも六八七にも一四四一にも、これは一度も特定の国がその武力を行使するということは見当たらないんですけど、どの条文にあるんですか、これ出してください。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたところで、ちょっとあれですけれども、六七八は、御存じのように、イラクのクウェートからの撤退を求める安保理決議六六〇及び関連諸決議の実施とともに、また、このイラクにおけます国際の平和と安全を回復するために、あらゆる必要な手段を取る権限を与えるという旨定めております。したがって、これまでも繰り返して申し上げておりますが、二〇〇三年の対イラク武力行使というのに当たりましては、安保理決議一四四一の下で、イラクは、いわゆる湾岸戦争、一九九〇年の湾岸戦争の停止条件を定めた安保理決議六八七号の重大な違反を継続的に犯しているというんで、安保理より与えられていました最後の機会を利用しなかったことから、六八七に基づきまして、湾岸戦争の停戦の基礎が損なわれ、結果として、イラクにおける国際の平和と安全を回復するためにあらゆる必要な手段を取る権限を与えるとしております安保理決議の六七八に基づいて武力行使が正当化されたということだと存じます。
○喜納昌吉君 今、大臣が申し上げたのは、その六七八の二項ですよね、これね、たしかね。これ、二項はこう書かれているんですけど、クウェート政府に協力している加盟国に、上記の第一項に定められているとおり、イラクが一九九一年一月十五日までに前述の決議に定められた事項を完全に履行しなければ、決議六六〇及びこれに続くすべての関連決議の維持、施行のため、及び国際平和と安全を回復するためのあらゆる手段を行使する権限を付与するというのは、それは一月十五日までと期限が定められているんですけど、これはなぜ、一九九一年の一月十五日はもうとっくに過ぎているのに、それがなぜできるのか分からないですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、一九九一年から二〇〇三年まで、実に十二年間にわたって国連は累次にわたって安保理決議としていろいろな勧告をイラクにしておりますけれども、そういった国際社会や、安保理という名の国際社会が平和的解決の機会を与え続けてきましたけれども、その十二年間、それは全くそれに反応せず、それにこたえようとせず、最後まで国際社会若しくは安保理の真摯な努力にこたえようとしなかったというところが一番の問題なんであって、このような認識の下で日本としては、この安保理決議に基づいて取られた行動を支持したということであります。
○喜納昌吉君 だから、そこが私との見解の違いなんですけどね。多分、麻生大臣は、これをもうちょっと目を通した方がいいと私は思うんですけど、普通、六八七では武力行使のことは規定されてないと私は思いますが、それから一四四一でもね。そうでしょう。やっぱりこれは、六八七が決議をされたときに、もう六七八は消滅したということになると私は思いますけれども、法的解釈では。だから六七八がよみがえってくることはあり得ないと思うんですけど、この辺どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 見解が全然違うとおっしゃいましたけど、全く違います。
○喜納昌吉君 これはね、見解が違うと言うけど……
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと、発言中だから、議長若しくは委員長に了解を求めていただかないと、議場整理権は委員長にありますよ。
○委員長(田浦直君) 麻生大臣。
まあちょっと待ってて。
麻生大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 焦らなくて、まだ時間ありますから。慌てぬでください。
六七八が六八七になっていきまして、それから一四四一になっていきましたけど、それがいずれもこたえなかったがゆえに戻ったということになるんです。
○喜納昌吉君 いや、だって、ちょっと少し、ブリックス査察官報告では、イラクは多くの点で査察に協力的で、更なる武装解除には数か月必要、査察の継続必要と言っているんですね。エルバラダイも、三か月にわたる突っ込んだ査察を行った後、現在まで我々は、イラクが核兵器開発計画を再開しているという証拠も、それを示唆するもっともな兆候も見いだしていないということを言っているんですね。そうですね、イラクは確かに一四四一採択を最初は拒否したんですけれども、十一月十三日には受諾しているんですよ。だから、その間何も聞かなかったということはあり得ないですよ、これは。
○国務大臣(麻生太郎君) 累次にわたってと申し上げましたように、十二年間にわたりまして、イラクに対しては、いろいろな形での国連から若しくは多くの国々からイラクに対してその対応を求め続けたということでありまして、これは国連決議だけですべてやっているわけではありませんから、そういった安保理の国々がいろいろなことに基づいて話を持っていったにもかかわらず、全然それに応じようとしませんでしたので、大量破壊兵器の廃棄というものを定めました停戦決議六八七を含む国連安保理決議の重大な違反というのが決定されたから六七八というように御理解いただけたらよろしいんじゃないでしょうか。
○喜納昌吉君 一度、一四四一では物足りなくて、アメリカは、武力行使ができないということがありまして、イタリアとどこでしたかな、何か国かで武力行使の決議をしようという案を出したんです。それがフランスとドイツに断られているということは知っていますよね。そのことをどうお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろな安保理十五か国の中にありまして、いろんな意見が出てくるのは当然のことでして、安全保障理事国と言われる十五、常任理事国、非常任理事国、合計十五の国々の意見が常に完全に一致していたというわけではありません。これはもう常によくある話なんでして、私どもの望んでおりましたのは、平和的解決はイラク側の対応に懸かっていたんだと、あのとき、そう思っております。
したがって、日本としては、国連の査察団というものが累次にわたって入っておりますが、協力は全く得られなかったという表現はエルバラダイの報告にも出てきておりますのは、もう先生お読みになったとおりだと思いますので、イラクの消極的な協力というものを何回となくレポートしておりますから、そういったものが抜本的に改められなかったということが査察継続の有効性に疑問を生じさせたというのがあのときの背景だったと思っております。
○喜納昌吉君 もう一度、この辺をなぜ聞いたかといいますと、一四四一の後に更なる武力行使のための国連決議を採択しようとしたこと自体が、一四四一までの決議では武力行使に不十分であることを米国は知っていたんではないかということを大臣は思ったことはないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) この種の駆け引きの世界におりますと、それはいろんなことを考えておると思いますので、アメリカとして自国に都合がいいように、フランスはフランスの自国の都合、それはみんなそれぞれ都合のいいように考えるというのはこの世界では当然のことだと思いますので、アメリカが特にどう考えていたからどうというような気はございません。
○喜納昌吉君 いや、私は、だから日本の立場としてどういうお考えですかと言っているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本の立場はもう、重ねて申し上げるのもなにかと思いますが、日本というものは、これまでずっと国連というものの決定というものがなされて、それによって、イラクに対するアメリカの武力攻撃というものについては、先ほど久間大臣から答弁のあったとおりでして、日本がいわゆる実質クウェートに陸自若しくは空自を送るようになりましたのは、イラクにおける戦闘状況が終結というのを受けました後の話でして、この話に関しましては、あの地域の平和と安定というものにとりまして、これは日本にとって非常に大きな影響を与えるところだと思いますので、私どもとしては今回の結論というのを、今そのようなところで、反省をしているとかなんとかいうわけではございません。
○喜納昌吉君 それじゃ、麻生大臣は、これは安保理決議によってなされたということを明白におっしゃっていますね、それは確かですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本は安保理決議の決定に従って、我々の行動をそれに準じたということだと御理解いただいて結構かと存じます。
○喜納昌吉君 今の世界のこの法解釈としては、安保理決議にあれはなかったということになっておりますね。その安保理決議は、クウェートの武力抗争に対する一つの、何というのかな、枠組みを与えているし、あとは六八七以降は、何というんですかね、あの大量破壊兵器の問題が明記されて、一四四一でそれは査察というものを強化されてくる流れがあるんですね。
だから、ひとつ、私は、アメリカはやはり国連、国際法に違反しているという考え方を持っているんですね。それを日本政府はそうではなく、国際法に準じてアメリカはやったということを申し上げていますよね。
私は、よく見ていくと、アメリカはクウェート侵攻と大量破壊兵器保有の問題をすり替えて私はイラクに対して入っていったんではないかという見解を持っているんですね、考え方をね。だから、これをもう一度僕は更に勉強をして、これ難しいですからね、ややこしくなっている、これを読むのはね、もう一回僕は説明しながら質問できるよう持っていきます。よろしくお願いします。
それから、自由と繁栄の弧、麻生大臣が提唱する自由と繁栄の弧についてお聞きします。
昨年十一月三十日、麻生大臣は自由と繁栄の弧について演説を行い、我が日本は今後、北東アジアから、中央アジア・コーカサス、トルコ、中・東欧にバルト諸国までぐるっと延びる自由と繁栄の弧において、まさしく終わりのないマラソンを走り始めた民主主義国家の伴走ランナーを務めてまいります。中略置いて、自らの存在と安定、それに繁栄という国益の三大目的を追求しようといたしますと、日本くらい大きな国になりますと、世界のどこで何が起きようが無縁ではいられませんと言っておられます。
麻生大臣、私の目から見ると、新たな冷戦構造をつくろうとするアメリカの国際戦略の覇権の中に取り込まれていくような流れにしか見えませんが、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 全然違うと思います。見解が全く違うんだと思いますので、これ説明すると、これは喜納先生、こういうところよりはもう少し別に、一杯飲みながら話をずっとやった方がよっぽど話が聞けるんじゃないでしょうかね。これは中途半端に聞かれると、あと十五分ぐらいしゃべらせていただくということになると、ちょっといかがなものかと思いますんで。
○喜納昌吉君 麻生大臣と一杯飲めることは非常に嬉しいことですから、今日の言葉は、是非やるやる。
ちなみに、僕は潜在的に共産主義体制を残す中国やロシア、あるいは宗教戦争でもつれている中東、混沌の中にいるアフリカ、反米的に傾斜している南米、身近なことで言えば北朝鮮、台湾問題をどうお付き合いしていくつもりですか。
○国務大臣(麻生太郎君) いろいろそれらの国々に全部対応の仕方が違うと思っております。
しかし、少なくとも、今一番その中に全く外れているといったら多分中南米ということになろうかと思いますけれども、例えば、今ウジミナスという鉄工所がブラジルにあります。このブラジルにありますウジミナスというところは、新日本製鉄が育て上げた鉄工所だと思いますが、今度のミッタルというインド最大、世界最大の鉄鋼会社がアルセロールというフランスにあります鉄鋼会社を買って、これによって新日本製鉄の冷延・圧熱・高張力鋼板の技術が流出するかしないかという大事件になっております。
したがって、アルセロールは買われましたので、ミッタルに、ヨーロッパに対して日本は送り出すすべをなくなったときに、この中南米のウジミナスという会社と新日鉄は長き、もう四十年にわたって縁があって、結果としてここの工場が、この会社が新日鉄の持っています技術を使って、そしてそれをヨーロッパに売るということで、この買収工作を止めるのに成功、これは明らかに日本と中南米、特にブラジルとの長い関係においてでき上がったこれ一つの例です。
そういった意味では、少なくとも中南米、いろいろな中で、反米とかいう話はよくありますが、ボリビア含めて日本との関係はかなり友好なものを維持しておると理解しております。
○喜納昌吉君 いろんな問題があると思うんですね。特に、ロシアとの北方領土問題とか中国との尖閣列島問題、韓国との竹島問題、北朝鮮との拉致問題、それから台湾問題とか、これを解決する力があれば日本というのはすごいアイデンティティーを私は示すことができると思うんですね。
だから、自由と繁栄の弧というものは、遠いところは、特に我々も平和運動をするときに遠いところは応援しやすいんですね、火の粉が飛んでこないから。しかし、お隣の北朝鮮の平和運動をするとスパイじゃないかとか共産主義じゃないかとかすぐに偏見が飛んでくるんで、非常に難しいという。だから、北朝鮮の中で、あそこで苦しんでいる子供とか年寄りなんかを見てみると、どうしても心が痛くなるんですね。同じように人類の、地球上にいる人間たちと同じ心を持つんですけれども、特に近いものに対しては非常に長い伝統や歴史の偏見があるから、これをどう解決していくのかというのが非常に私のテーマとなっているんですけれども。
僕はこの前、新潟のときに、国際問題調査会で行ったんですけれども、そのときロシアの総領事ですか、が来て質問したんですね。北方四島問題をどう考えていますかと質問したんですよ。政治家が騒がなければうまくいくと言うんですね。政治家がいろいろな戦略に使うからぎくしゃくしておかしくなると、余計な人たちが出てくると言う。相手の言い方をすれば、ロシアでも右傾化している人が出てくるとか、日本でも右傾化している人が出てくると。だから、それがかえって足を引っ張ってしまうということを言っていたんですね。これはどうすればいいのかなと言ったら、それは言わば官僚に任せばいい、官僚と言っちゃ、まあそういう人たちに任せばうまくいくという話があったんですね。
ただ、その話の中で、私はちょうど択捉に行ったことがありましたから、そのときに博物館の中にアイヌの歴史資料が全部大事に保管されていたんですね。私は非常に感動したんですよ、そこでね。その旨を私はそのロシアの方に言ったら、この方も同意を得たという形で、やっぱり何というのか、尊厳というのか、生命の尊厳から物を見ていけば、私はそういうぎくしゃくした、何というのかな、このしこりは抜けるんではないかという感が、ロシアの総領事と一致した部分があったんですね。
だから、北方四島は日本のものである以前にアイヌが住んでいたということをしっかり踏まえて今後外交を組み立てていけば、僕は新しい視点が展開していくんではないかと思うんですけれども、この辺はどうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 元々は、千島、樺太等々、伊能忠敬、江戸時代に出てくる学者ですけれども、伊能忠敬にさかのぼって、少なくとも長い長い歴史の中で、あそこは半島ではなくて島であるとかいろいろなことをずっと調べ上げていった長い経緯があります。もう御存じのとおりです。その当時にいた人たちは、松前藩があそこに出ていく以前から人が、あそこに住んでいた人たちが多くアイヌと言われる人たちだったというのも事実。かなり違う言語でもありましたし、違う民族、いろんな表現があろうかと思いますが、そういった人たちがそこに住んでいた、先住民族としてそこにいたというのは間違いのない事実であろうと思います。もちろん、ロシアが入ってくる前にいた、もちろんエスキモーを含めて、皆それぞれの地域にそれぞれの先住民がいたというのはもうどこの国でも言えることだと存じます。
したがって、そういう人たちといかに融和していくかというのはすごく大事なところだという点に関しましては私どもも全く同じです。
○喜納昌吉君 アイヌ新法ではアイヌの方々の先住民権が認められなかったんですよね。だから、それは多分国連が提唱する先住民の権利を表に出しちゃうと、今の日本の利権がちょっと少し、ちょっとひずみが入るというところがあると思うんですけれども。しかし、僕は、世界に先駆けて日本がそういう、本当の人道支援である、人道復興であるという言葉を申したければ、しんのある人道復興というものをまず足下からやっていくという方法がいいんではないかと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、アイヌに限らずいろいろなところでいろいろな問題がありますのはもう御存じのとおりでして、一番難しいのはこの民族と言われる定義というのが、先ほどの話じゃありませんけれども、これも日本の現行の法令の中では民族というものについての定義とか規定されたものはありません。これが一つ頭に入れておいていただかなきゃいかぬところだと思っております。
したがって、いわゆる民族というのは、一般的には言語とかまた宗教とか文化、いろいろあろうと存じますが、そういう客観的な基準というものと、何というのか、帰属意識とか民族意識とかいったいわゆる主観的な基準というものの両面から説明をされているのが通常なんですけれども。
したがって、アイヌの人々も、独自の言語、独自の文化、そういったものを持っておりますんで、民族としての帰属意識というものを有しておりますから、民族であると考えているというのが率直なところです。
○喜納昌吉君 とにかく、それなりの理屈は分かりますけれども、ただ、やっぱり先住民権を見詰めて、民族という帰属をさせていくぐらいの度量を日本は持ったらすごいなと思っているんですね。
どうですか、資本主義だろうが共産主義だろうが、軍産複合体という一つの病に僕は侵されていると思うんですね。私は、地球のこの文明、言わば戦争文明というんですか、戦争文明が地球に広がっていくと人類の未来はなくなるんではないかという感があるんですね。
その自由と繁栄の弧を、何というのかな、地球丸ごと、人類丸ごとの繁栄に切り替えるぐらいの哲学を展開してくだされば、次の、何というんですか、美しい国日本もいいんですけれども、だってこの地球を見たときに、人口が六十六億あって、日本一国で美しい国はもうつくれないようになっているんですからね。地球全体が疲弊しているんだからね。これを再生していかなくちゃ美しい日本も存在できないという、そういう構図が成り立つんです、これは。
だから、一つは、この自由と繁栄の弧も限られたものではなくして、地球丸ごと、人類丸ごとという哲学に切り替えたらすばらしいなと思いますけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) 一億二千七百万の人口で六十六億面倒を全部見ちゃうという迫力だけはすごいと思いますけれども、失礼ですけれども、金にも体力にも限度があります。やれもしないことを大言壮語するつもりははなからありませんので。
私どもとしては、やれる範疇としては、それらの国々は今、日本と同様にかなり歴史はあるけれども最近自由と独立を手にした国々、また日本と同じように資源のない国々、そして日本と同じように基本的な価値観を共有しながら、今この約十五年間、一九九〇年以降、新しく独立を得た国々で、今やっと議会制民主主義とか選挙とか市場経済とかいうものをやっと今よちよちでやり始めつつある国、歴史はあってもそういったことに関する知識若しくは知見、経験に、そういった国々と、我々がやれるのは、日本の経験、知見、これまでの我々がやってきた過去を共有して、我々の失敗も出します、我々が成功したところも出します、したがって、そこらを共有しようではありませんかというのを申し上げた範囲がこれでありまして、これをアフリカまで全部、更に五十三か国へ広げろ、中南米に全部、それはもう全部広げられれば、それだけのことはこしたことはありませんけれども、まずは、これらの国々で成功した、その後でということになるのが普通の順当だと存じますが。
○喜納昌吉君 その言葉だけで十分です。その後という言葉が、心があれば非常にまだ未来があるということですね。
ただ、私が思うことには、米軍再編であれだけお金を掛ける。もう普通考えてみなさい、沖縄の今回の海兵隊の件でも七千三百八億円とかね。
こういうお金、そこにお金を掛けるよりも、戦後補償とか慰安婦問題とか中国残留孤児、強制連行にうまく使えば、更に僕はもっと安全保障は確保できるという物の考え方なんですけれども、ちょっとやっぱり、安全保障の名の下に軍事にお金を掛けるというのはもう古いのではないかという考え方あります。私はそう思っています。
だって、信じられないでしょう、これ。一億ドルぐらいもうこっちに持ってくればすぐにできるんじゃないですか、簡単に。一億ドルじゃ足りないか。何というのかな、十億ドルぐらいあれば、そんなこと、問題ぱっと解決できますよ。歴史が消化できますしね。そのぐらいの判断ができるような私はやっぱり人が首相になってほしいなと思っていますね。まあそれは質問としません。
次は、塩崎官房長官にちょっとはお話ししたいなと思って質問します。
衆議院においては特別委員会で附帯決議が採択され、その中で、出口戦略につき必要な検討を行うこととしております。塩崎官房長官は、出口戦略について主体的な判断すると答弁しておりますが、主体性とは何ですか、主体性。
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも私、出口戦略という言葉は余り好きじゃなくて、イラクとの付き合いに出口は余りないんじゃないかなと思っております。
自衛隊を送るということに関して、どこかで終結をするということはあり得るかも分からないということでありますけれども、その際に、主体的に考えるというのは、やはり日本がイラクとのお付き合いの中でどういう支援をするかというときに、自衛隊を送ることについてはそろそろやめようかというふうに決める、時期を決めるのは自らの判断として、つまりODAあるいはNGOのコミュニティーも随分関与してくれて、支援をしているわけですが、そういった組合せの中で自らの考えで決めるという意味で主体的に決めるということだと思います。そのときの条件はもういつも言っているとおりであります。
○喜納昌吉君 いろんな状況をかんがみて決めるということの主体性ということを言っておるんですけど、二年間延長というのはちょうどブッシュ政権の任期の終わりと同じだから、配慮しているんじゃないですか、ブッシュ政権に。
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、それは全く関係なく、主体的に決めるのは、やはりイラクとの関係、それからイラクを支援しようとしている国際的なコミュニティー、それは国連もありますし、他の多国籍軍を出している国、その他の国々の動きというものもありますから、そういうものを総合的に判断して、国連の活動も数年は掛かるんではないかという活動を今展開しつつあるわけですので、そういうことを考えて二年ということでお願い申し上げているということでございます。
○喜納昌吉君 二年ということは、決してブッシュ政権のその任期に合わせたものじゃないということですよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) そのとおりでございます。
○喜納昌吉君 私は、松岡大臣がちょうどあの事故というのかな、事件というのか、起きる三日前に、国会から出ていくときに、はい、喜納先生という形で僕も松岡先生の手を握ったんですね、その感触がまだ残っているんですけどね。僕は非常にあのとき、あっ、この方は意外と純粋なところがあるんだなと僕は本当思ったんですね。その後の事件でしたから非常にショックもあって、悩んでいたんですね。
そして、その後、いろんな遺書に安倍総理大臣、日本国万歳ということを書いているから、決して私は右翼ではないですけど、国粋主義者でもないんですけど、その気持ちは察する部分があるんですよ、どこかではね。
だから、私は、あの方が本当にこの日米同盟という矛盾の中に挟まれて死んだのかなというものがあるんですね。だから、あのときに手を握ったときの僕は感触を思い出すときに、そうだな、このことは解決せぬといかぬなと思ったんですね。
塩崎官房長官は日米同盟の中には矛盾はないと思っていますか。日米同盟の中には矛盾は存在しないと思っていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 矛盾というのの定義によるのではないかと思いますが、少なくとも今の私の頭の中に矛盾という言葉は日米同盟に関してはないと思います。
○喜納昌吉君 矛盾という言葉は矛と盾、いかなるものも盾を貫くというんですね、盾はあるいはいかなるものも通さないというのが矛盾というんですけど、戦わなければ元々矛盾というのはないんですよ、これは。戦うからこそ矛盾が生じるんですね。だから、我々は矛盾を超えることができるんですよ、実際は。戦わないことが、矛盾が消えていくという、文字ですから。この辺も戦わない方向に行ってほしいなと思っていますね、日本が。
それから、時間がもうちょっとありますね。
ポサーダ問題を知っていますかね。もう一回言う。ポサーダ問題は、アフガニスタンとイラクへの米国の侵略戦争の根本にあるという見方をする人もいるんですね。
ブッシュはテロとの戦争を打ち出し、テロと戦うか反対するかの二者択一を迫り、テロリストをかくまう国はテロ国家とみなすと脅かしたんですね。ところが、米国内に米州最大のテロリスト、ポサーダをかくまっているという。米国のテロとの戦いの論理は完全な二重規範だという考え方があるんですね。
そういう二重規範の論理がもう崩壊したのに、日本政府はこの点に目をつぶり、まだブッシュを支持するという考え方はありますか。これもまた官房長官よろしくお願いします。ポサーダのこと知っています。知らない。それじゃ分かりました。
○副大臣(浅野勝人君) ルイス・ポサーダ・カリーレスのことですか。
○喜納昌吉君 はい、ルイス・ポサーダ。
○副大臣(浅野勝人君) 質問の趣旨は、この人の扱いをアメリカの裁判所がどのようにし、その結果の扱いが妥当かどうかという趣旨と推測してお答えをしますけれども、よその国の政府、つまりアメリカが第三国の国民をどのように扱うかに関することでありますから、日本政府がそれについてとやかく言う立場にはありません。
その上に立って申し上げるんですが、このルイス・ポサーダ・カリーレスをめぐる事実関係の詳細が十分には把握できておりません。今分かっていることは、反キューバ体制のキューバ生まれのベネズエラ国籍と承知していますけれども、不法入国容疑でアメリカに逮捕されて連邦大陪審によって刑事訴追されていた人で、保釈金を支払って今年の四月十九日に釈放された後、自宅収監になっていると承知をしております。そして、五月八日に連邦裁判所によって移民法違反の訴えが棄却されたということです。
したがって、この一連のアメリカの司法裁判にかかわる問題について妥当かどうかということを今申し上げるのは適当ではないと存じます。
○喜納昌吉君 分かりました。次にお願いします。
麻生大臣に最後にもう一回質問します。
一昨日の犬塚議員の質問で、アメリカがペルシャ湾に空母を展開してイランと交渉することは、東京湾に空母を展開されているようなもので、国連憲章で禁止されている威嚇行為にならないかという質問がありました。麻生大臣は、ペルシャ湾はイランの領海ではないので威嚇には当たらないと言いました。そう言いましたよね。
では、もし日本との交渉のときに東京湾に空母が展開されたら威嚇になりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 東京湾は日本領です。
○喜納昌吉君 威嚇になる。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本領の中に日本の了解なく他国の軍隊が入ってくれば威嚇になり得る可能性があると思います。
アメリカの場合は、事前通告ももちろんあるでしょうが、同盟国というのとは全く違うと思います。
○喜納昌吉君 ああそうですか。中国ならば許してないですよね。
○委員長(田浦直君) 喜納君、もう時間ですから。
○喜納昌吉君 沖縄の辺野古沖に掃海艇を派遣することは沖縄に対する威嚇であると県民は受け止めていますが、久間大臣、沖縄は日本人ですか。
○国務大臣(久間章生君) 決してそういうふうに……
○喜納昌吉君 沖縄は日本人なのか聞きたいんです、私。
○国務大臣(久間章生君) もちろん日本です。
○喜納昌吉君 ああそうですか。後でまたこの議論もしようと思います。
以上です。
