外交防衛委員会
平成19年03月20日
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会の喜納昌吉です。
まず、予算関係の質問をします。外務省予算から始めます。
思いやり予算について質問したいんですけれども、日本政府は在日米軍に対する思いやり予算を昨年幾ら払いましたか。よろしくお願いします。外務大臣。
○副大臣(浅野勝人君) 在日米軍駐留経費の負担額は、現在国会で審議中の平成十九年度予算案ではおよそ二千百七十三億円となっております。また、その概要については、昭和五十三年度から地位協定の範囲内で、それから昭和六十二年度からは特別協定に基づいて在日米軍駐留費を負担しております。
○喜納昌吉君 新年度予算には思いやり予算幾ら予定していますか。
○副大臣(浅野勝人君) もう一度お願いします。
○喜納昌吉君 新年度の予算には思いやり予算は幾ら予定していますか。
○副大臣(浅野勝人君) ただいま申し上げましたように、約二千百七十三億円で、もう少し内訳を申し上げますと、在日米軍が使用する施設・区域についての提供施設整備費、駐留軍などの労働者の労務費、在日米軍などが公用のために調達する光熱水道、水など、それから日本国政府の要請による在日米軍の、こちら側の要請による在日米軍の訓練の移転に伴う追加的経費、通常、訓練移転費と申しております。
以上です。
○喜納昌吉君 昨年と同じということですか、昨年と。
○副大臣(浅野勝人君) 質問の趣旨は、先ほどの在日米軍駐留経費の負担額、それから二度目の質問は在日米軍の駐留に必要な経費全体の額と、そういう意味ですか。それについては、十八年度が六千百四十六億円であります。
もうちょっと説明しますと、在日米軍駐留費として提供施設整備、労務費、光熱水道料など、訓練移転費も負担しており、さらに係る経費と合わせて施設の借料、土地や施設ですね、の借料、それから周辺対策にかかわる経費などを支出しております。これらの経費を合わせた在日米軍駐留に関する経費全体の額は、平成十八年度では約六千百四十六億円であると承知しています。
今年は幾らかという御質問だと存じますが、それは総務省その他様々な関連した細かい予算がございまして、それを今集約中でありますのできちんとした数字を申し上げることはできませんが、十八年度の約六千百四十六億円とそんなに変わらないものではないかと予測をしております。
○喜納昌吉君 分かりました。
昨日、予算委員会で麻生大臣は、在日米軍が日本の安全を保障している限り、その他の在日米軍の展開は安保条約上は問題はないとの見解を示したんですね。ならば、在日米軍を支えている思いやり予算が日本の安全保障以外の米軍の展開目的にも利用されても問題はないということなのか、ちょっと大臣に。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には日米安全保障条約によって日本の安全が、米軍の抑止力によって安全保障が保たれているというために我々はそれなりの応分の負担をしております。したがって、それが行われている以上、その他のことに関して米軍がどのような形で運用をするか等々、移転をするか等々について、日本としてそれに対して関与するというつもりはございません。
○喜納昌吉君 関与するつもりはない、関与するつもりはないと。これは関与しないということですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 米軍の日本の抑止力等々をきちんと対応している以上、その他のことに関して我々がその運用に介入するということはないということを申し上げております。
○喜納昌吉君 きちんと対応していると思っていらっしゃるんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも日米安全保障条約が締結されて、今日まで米軍の日本に対する防衛というものに関しては果たされているからこそ、日本の場合は今日まで少なくとも北東アジア等々の中において戦争に巻き込まれる、若しくは直接攻撃を受けたことはないというように理解をいたしております。
○喜納昌吉君 どうですか、久間大臣、その辺は日本の防衛上アイデンティティーに問題はあると思いませんか。
○国務大臣(久間章生君) この特別協定に基づくとにかく負担しているやつは、日本におる在日米軍のための、そのために出しているわけですね。たまたまそういうところで出しておるときに、ある時期移転してどこかに行ったからといって、行くための経費を出しているわけじゃありませんから、ここにおる間の経費について出しておるものについては日米安保条約に基づいて我が国のために活躍する米軍に対して出しておると、そういうような認識で、それ以上のものでもないという、そういうふうに理解していただいていいと思います。
○喜納昌吉君 ちょっとお二人の言葉がうまく理解につながらないんですけれど、結局は久間大臣は若干ニュアンスが違うんですか、今、麻生大臣との意見とは。
○国務大臣(久間章生君) いや、基本的には同じことを言っているわけです。基本的には同じことを言っていると思いますけれども、先生が御指摘になった日本におる在日米軍が仮にイラクならイラクに行くということになった場合は、それはもう在日米軍から一応離れて別の指揮の下で行動するわけでございますから、その費用については我が国が出すということにはならないわけでありますんで、そこは仕切られているという、そういう理解をしていただいた方がむしろいいと思いますし、そういう目で見たときに、これはおかしいじゃないかというような御指摘があったらまた指摘していただいていいと思いますけれども、今そういうような支出はしてないと思っております。
○喜納昌吉君 でも、麻生大臣の話を聞くと仕切られてない、仕切らなくてもいいという感じがあると、感じがしますけれども、そうではないんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと御質問の趣旨がよう分からぬのですけれども、特別協定によるものに関しましては、今、久間大臣と言われたとおりなんであって、少なくともその特別協定によって国内におります米軍のことに関していろんな形で施設整備費等々をやっておるということで、それが仮に、今イラクの話が出ましたけれども、イラクに行く場合は、そのときは所属は多分中東方面の作戦区域の軍の方にその所属は移管されていることになっているのではないかと思います。
○喜納昌吉君 その思いやり予算がどの範囲内であるかということが明確に出されてないような感じがするんですけれどもね。仕切りは、日本の安全保障、日米同盟が信頼できるから出すと言っているのか、しっかりしたその仕切りをつくると言うのか、まだ私分からないんですけれど、また次に質問します。
続いて久間大臣に防衛省予算について質問します。
沖縄タイムスが今月十七日付けで報じたところでは、米海兵隊はグアム島移転に関する日米合意の約百三億ドル以外に、施設改修費、施設維持費、水道光熱費など計四億六千五百万ドル、つまり約五百四十億円を毎年増やそうとしているとのことです。これは、米軍の準機関紙「星条旗」の記事に書かれていますが。一方で、最近、米国のシーファー駐日大使が、日本側へ一層の費用負担を求める発言をしています。これもちょっと気になります。
さて、質問なんですけど、沖縄の海兵隊のグアム島移転の費用負担は概算六十一億ドルとされています。国民の大多数はこれに納得していません。現在、この費用負担に関する細部の詰めの交渉はどう行われていますか。よろしくお願いします。
○国務大臣(久間章生君) 先ほどの浅尾先生にもお答えしましたように、百二億ドルが全体で概算で掛かるというふうにアメリカからの積算によって一応決めておる。それに基づいてロードマップその他、合意しておりますけれども、これはあくまで概算でありまして、これから先、まだ積算をこちらはこちらの立場に立ってやっていかなきゃなりませんから、だから、そこまで掛かるのか掛からないのか、それは、むしろそれよりもかなり下げるように努力をしなければならないと、そういうふうに思っております。
○喜納昌吉君 いつ日本側の負担額が正式に決まるんでしょうかね。
○国務大臣(久間章生君) これは、これから先、十九年度の予算等で認められたいわゆる調査費とかいろんなやつを使いまして、これから鋭意調査をやっていって設計を組んでいって、向こうのまたいろんな諸要求も出てまいりましてやるわけですから、少なくとももうしばらくは掛かると思いますけど、いつということは今の段階できちんとちょっと言いにくいですね。けど、もうちょっと、一年、二年じゃ難しいかもしれぬなという思いもします。向こうも、一気にやるか、場所的に取りあえずここをやろうとか、そういう形で出してくるかもしれませんので、全体として固まるのはもう少し先になるんじゃないでしょうか。
しかも、インフラ整備その他もまた出てまいりますから、今の百二億ドルというのは、もうかなり、だから高めに出ているんじゃないかと私自身は感じております。
○喜納昌吉君 日本側として、大体いつごろまでに持っていきたいという気持ちがありますか。
○国務大臣(久間章生君) 今言いますように、向こうとの関係もございますし、どこまで詰めていけるか、物理的な作業もありますので、いつまでにというのはちょっとなかなか言いにくいという状況であります。
○喜納昌吉君 向こう側のペースに乗ると勝てないんじゃないかと思って、私は質問したんですけどね。
さっきの五百四十億円の話なんですけれども、海兵隊は毎年五百四十億円もの維持費を全部若しくは一部を日本側に負担をさせようと思っているのではないかという、その様子めいたことはないですか。
○国務大臣(久間章生君) 今度は、グアムに移ってしまいますとそこは提供施設じゃございませんから、海兵隊が今までとにかく沖縄におりましてこちらが負担しておった、そういう分については減っていくわけでありますから、だから、そのまま向こうでこちら側が負担するということはまず考えられないということをひとつ理解しておっていただきたいと思います。
○喜納昌吉君 是非、そうあってほしいですね。アメリカはうまいですからね、日本も負けないように。
この移転費をめぐる利権に、既に様々な方面から利益にあずかろうと、企業、団体、個人らが群がっているようです。
政府は、約六十億ドルのうち三十三億ドル融資する仕組みをつくっています。現地の民間企業が共同事業体、SPEを設立しており、政府融資を受けて住宅などの建設に当たることとなっているようです。そのSPEに参加している企業の数、企業名、国籍、それぞれは何の建設を担当するのかを明らかにしてください。よろしく。
○国務大臣(久間章生君) 正にそういうのもこれから先決めていくわけでありまして、そのSPEでやるかどうかも含めまして、多分そういう方向になっていくんじゃないかと思いますけれども、それに日本企業も参加できるのかできないか、今の段階では何も決まってないわけですね。だから、これを決めて、参加できるようにした方がいいんじゃないかと私は個人的には思っておりますけれども、そして、そのときに日本企業が不利にならないようには我々としては努力しなきゃならないと思っておりますが。
いずれにせよ、どういう形でこれから先詰まっていくのか、これもやっぱり交渉だと思いますので、またこれから先の進捗に応じて先生方からいろんな御質問等もあろうかと思いますので、私たちはそういうことも頭に置きながら交渉を続けていきたいと思っております。
○喜納昌吉君 企業選定に当たっては、公正で透明な入札が行われるということですか。
○国務大臣(久間章生君) 入札もそうですけれども、まず参加する資格等がどういう形で絞り込まれていくのか、アメリカ側が従来やっているそういう、民活をやるときにどういう手法でやっているか、ハワイでやる場合、いろんなところでやっていると思いますけれども、そういうものとのやっぱりバランスといいますか調整も必要でございましょうけれども、先ほど言いましたように、とにかくみんなの目から見て公正に、日本としてはまず損もしなかったというようなことも含めて、とにかく説明できるような、そういう状況に持っていきたいと思っております。
○喜納昌吉君 この辺ではアメリカと日本政府はどっちの方がイニシアチブを取っているんですか。
○国務大臣(久間章生君) まだ現在の段階ではイニシアチブということじゃございませんけれども、場所は確かにアメリカでありますから、アメリカのやり方というのが、やり方としてはやっぱりリードしてくることになろうかと思います。アメリカの国内法に基づいてアメリカでやるわけですから、だからそういうふうに、日本では使われない民活の方法なんかもアメリカじゃあるかもしれませんから。
そのときに、先ほどから言っているように、向こうの法律にのっとって向こうの国土の中でやるわけですから、それは制約はありますけれども、できるだけ費用が安くなるには、例えばワーカーについては特別のビザを発給してよその国から入れてやってもいいじゃないかとか、いろんなことを言っているわけでありまして、そういうようなことで、どっちが主導権持つじゃなくて、いろんな提案をしながらすり合わせをしていく、そういう状況にあるわけであります。
○喜納昌吉君 沖縄の企業も参加する可能性はありますか、参加できる。
○国務大臣(久間章生君) それはないわけじゃないと思いますけれども、規模その他、実績その他からいってどのくらいの企業があるのかどうか、その辺が向こうの基準との関係でどうなのか、この辺はやっぱりこれから先議論される問題だと思います。
排除するという、頭から排除するというようなことは、それは考えてはおりませんけれども、私たちとしては日本の企業がアメリカと比べて非常に不利益にならないように、それだけはしたいと思っております。
○喜納昌吉君 次、シビリアンコントロールについてちょっとお聞きしたいんですけど、シビリアンコントロールね。
今年一月、防衛庁が防衛省に昇格しました。国民、市民、文民による自衛隊制服組に対する文民統制、英語で言えばシビリアンコントロールになりますけど、ますますそのことが重要になってくると思いますけど、どう思いますか。よろしくお願いします。
○国務大臣(久間章生君) シビリアンコントロールは非常に大事だと思っておりますし、また従来からいろんな意味で、この国会等も含めて、シビリアンコントロールは日本の場合は防衛省、自衛隊に対してはきちんと機能していると思っております。
○喜納昌吉君 具体的な強化策としては。
○国務大臣(久間章生君) 特別の強化策は考えておりません。といいますのは、現在のシビリアンコントロールというのは結構きちんとできていると思いますから、強化するということは今のやつが駄目だということになるわけでありますんで、絶えずそういうような視点から私たちはシビリアンコントロールが後退しないように、そういうような思いは持っておりますけれども、これを強化しなきゃならぬというような、そういう特別の問題は今痛痒を感じておりません。
○喜納昌吉君 私は駄目だということが決してネガティブではないと思っているんですね。駄目だと少しぐらい思った方が謙虚でいいんじゃないかと思っているんですね。現在、その強化すること自体が駄目だということにつながると私は思っていないわけですね。少しぐらいは駄目だと思った方が私は、特に軍隊、それは武器も持つし権力持ちますから、非常に私は謙虚さが必要ではないかと思っています。
文民統制を正しく維持する自信がありますか。
○国務大臣(久間章生君) 私はそれは大丈夫だと思っております。少なくとも今の制度がそのままきちんと守られるんならば、現在の制度で文民統制はできておると思います。
○喜納昌吉君 麻生大臣の発言でも分かるように、日本政府は在日米軍が日本の安全保障以外で展開する部分について十分には把握していないような感じがするんですね。
例えば、ケニー司令部の統括の下で米空軍と航空自衛隊との関係が密接になっていきます。そのような場合、政府は航空自衛隊の動きを完全に把握できるのでしょうか。
○国務大臣(久間章生君) それはできておりますし、これから先もそれは把握していかなければならないと思っております。
今おっしゃられましたケニー司令官の下でと言われましたけれども、そうじゃなくて、アメリカと日本の、アメリカ軍と日本の自衛隊とは、とにかく主体性はきちんと守ってはおりますけれども、やはりともに連携を強化するということは大事なことでございますから、今、任務、役割分担、それからそういう能力、そういう点でのお互いの突き合わせというのはやっておりますけれども、あくまでもそれは連携でありまして、向こうの隷下に入るということじゃございませんから、そういう点ではこれから先もそこは注意しながら、向こうの命令でこちらがいろいろと動かされるようなことのないように主体性は確保していこうと思っております。
○喜納昌吉君 この辺の意思はしっかりしてほしいなと思うんですね。アメリカの指揮下の中に、配下になってしまうというのは、これは大変ですからね。
ただ一つ気になることがあるんですよ、私。横田にあった第五米空軍ですか、が本来はグアムの第三米空軍の方に統括されるという話が当初あったような感じがするんですね。しかし、それを引き止めたのは日本の航空自衛隊だという話があるんですけれどもね。それで、いつの間にか横田の方にこのケニー分遣隊が来たということは、このシビリアンコントロールの中で、日本の、我々も立法の議員なんですけれども、勝手に自衛隊の方の意識で物事が動いたという事実はないですか。
○国務大臣(久間章生君) それは、勝手に動いたといいますか、日本の航空自衛隊が、日本の政府また防衛省、そういったことと関係なく勝手に米空軍の意向で動く、動いたということが……
○喜納昌吉君 いや、米空軍と言っているんじゃないんですよ、自衛隊が勝手に動いたという。
○国務大臣(久間章生君) それはもう勝手に動くということではなくて、当時は防衛庁長官、今だったら防衛大臣の指揮命令の命令書の発することに従って動いていますし、その発する中でまた部隊の長にゆだねている部分もありますから、その部分についてはその範囲内で勝手に動くことはありますけれども、上は全部コントロールされておるわけでありますから、コントロールのない形で勝手に動くということはあり得ません。
○喜納昌吉君 これは事実、その事実はあったということですか、今の話の事実は。
○国務大臣(久間章生君) 具体的な事実を教えていただくと、そういうことがあったかどうかもこっちはチェックして、もしあったとすれば大変なことでございますから、それはチェックをしなければなりませんけれども、私どもが聞いている範囲ではそんな動きは今までにはあっておりません。
○喜納昌吉君 この辺をしっかり調べてもらえますか。
○国務大臣(久間章生君) 具体的な内容を言っていただければそれを調べますけれども、あったんじゃないかという漠然なことを言われましても調べようがないわけでありますので、本当に申し訳ございませんけれども、こういうような時期にこういうような動きをしたけれども、これは命令にないままにやったんじゃないかという、それはあります。
かつて、私が防衛庁長官のときに、アメリカ海軍が爆弾を過って海中に落とした。それをすぐ漁業者のために掃海をせにゃいかぬということで、佐世保から掃海艇が向かったわけですね。ところが、私の命令が出てないので掃海するわけいかずにぐるぐるしておった。そのときに新聞社からなぜ早く出たかと言われたけれども、それは準備行為として当然そこまで行くことが大事だということで行ったわけですけれども、そのときですら、アメリカから依頼文書が、電報が来るまで動かずに、その周りをうろうろうろうろ回っておったという事実があるぐらいでありますから、そういう命令に従って行動するというのはもう習性として、今非常に訓練されております。
○喜納昌吉君 分かりました。
とにかく、そのシビリアンコントロールの中で、航空自衛隊が勝手に自分の意見を出してアメリカをとどめたということになると、これは大変なことですからね。この辺はよく注意しておいてください。
それから、久間大臣、大臣は今年一月に辺野古の滑走路一本でもよいと発言していますが、V字形滑走路については、海兵隊の新しい基地が本当に建設され、実現すると考えていますか。
○国務大臣(久間章生君) 私は、一本でもいいという言い方をそこだけが非常に突出して新聞に報道されたんですけれども、要するに、米国と日本政府、それと同時に地元、この三つの意見が一致すればどんな案でもいいんですよと、そういう言い方をしたんですね。要するに、地元と日本国政府とそれとアメリカと、軍の運用をアメリカがやるわけですから、この三つの意見が合致することが大事だということを強調したんですけれども、そのときの例え話として言ったのが一本でもいいじゃないかという、そこだけが非常に強調されたわけであります。
だから、そこのところは誤解のないようにひとつ、政府としてはV字案でいくという基本方針はもう決めておるわけでありますが、ただ決めておりながらも地元の意見を調整していこうというふうに、そういう努力をしているわけですから、そこのところは御理解賜りたいと思います。
○喜納昌吉君 分かりました。よく誤解されるんですね。
米軍の日本と米国での対応の違いについて聞きたいんですけれども、その建設工事はサンゴ礁を始め海の環境を大きく破壊します。米国では、米軍は美しい海の環境破壊が予想されれば基地建設はしないんですね。この点で日本は米国に差別されているような感じがするんですけれども、あるいは日本側の環境意識が低過ぎ、低いとも言えるのか、どちらの方なんでしょう。ちょっとこの辺を聞きたいんですけれども。
○国務大臣(久間章生君) 環境の問題はもちろん大事にしなければなりませんけれども、環境と、それをある程度いじってでも確保しなけりゃならない目的との、その辺が難しいところであります。
かつて、私は運輸政務次官のときに、石垣島に滑走路を造ることで地元の非常に熱望がありましたので、それをオーケー出すために努力しました。そして、オーケーを出しました。ところが、その当時、環境問題が駄目になって、壊れた経緯があります。それで、だからどっちを取るかという問題になってくる場合もあるわけです。
そうすると、今度の場合でも、普天間のあの周辺でのいろんな状況を考えると、こちらの環境はある程度壊してでもこちらに移さざるを得ないんじゃないかと。しかしながら、こちらの環境をできるだけ壊さぬようにしようじゃないかということで、今回のV字案で、政府としてはこれなら大した影響がなくて済むということで決めたわけであります。
○喜納昌吉君 肝心の沖縄県側が合意していないにもかかわらず環境調査を早々と始めるというのは余りにも拙速、そういう意味では思いませんか。
○国務大臣(久間章生君) 環境アセスに基づく環境の方法書の提出をして、それから縦覧公告をして、そういう手続に従って一連のやつはやられるわけですけれども、それ以前に、サンゴが卵を産むのを見ておきたいと思えば、それなりの現実の調査をやったとしてもそれ自体はもう問題あるわけじゃありませんで、それがこれに合致するかどうかについては、これはまた沖縄県と国側と一緒になって、あるいは環境省も入れてこれから先更に調査をするわけでありますから、事実行為としての調査そのものをやっちゃいかぬというようなことはないわけであります。
○喜納昌吉君 ただ、私は、米軍のこの対応の仕方に対して長官が心を痛めないのかというぐらいの、ちょっと聞きたかったんですけれども、余りにも沖縄に対しては抑え過ぎるという。よろしくお願いします。まあ防衛大臣もおるから、久間防衛大臣も。
米軍基地を受け入れる段階ごとに防衛省が地元の自治体に御褒美として交付金を渡すという、出来高払方式を盛り込んだ米軍再編特措法案が二月の国会に提出されました。
沖縄は在日米軍専用基地、施設面積の七五%を負担しています。札束でほおをひっぱたくような出来高払というならば、私は、日米安保条約に関連する政府決定を行われる際、沖縄は七五%の発言権を持たざるを得ないと思っております。久間大臣、提案されているこの交付金制度、沖縄に関していえば、米軍再編に反対が強いため自治体を切り崩し、分断統治しようというねらいではないですか。
○国務大臣(久間章生君) そういうふうに取られますと非常に困るんですが、そうじゃなくて、米軍再編をしなきゃならない、するときに、負担が減っていくところはいいですけれども、負担が増えるところはやっぱり大変なわけですね。そういうところについては、何かそれに代わっていろんな事業をやりたいというときに、それについてはやっぱり交付金を出すということは、私はそんなに、ほっぺたを札束でたたくようなとらえ方じゃなくて、それはそれなりの政府としてはその地方自治体に対する配慮があっていいんじゃないかと。
例えば原子力発電なんかについても、電源開発について、やっぱり原子力発電は日本の場合はどうしてもやらざるを得ないと。やるけれども、それを設置するところに対してはやっぱりいろんな意味で負担を掛けるからということで特別の交付金を出しているわけですから、そういう制度を米軍基地についても考え方として取り入れていいんじゃないかということで、今回の法案になったわけであります。
○喜納昌吉君 沖縄の平均所得は、東京の所得は沖縄の二・五倍という、まあ一番所得が低いんですよね。だから、今のようなこの長官の考え方もいかがなものかと疑問を持ちながら、私、今聞いていますけれどもね。
まあ、言うことを聞く自治体には褒美をやり、そうでなければ上げないというやり方は沖縄の人の気持ちを逆なですることになる。この点はどうお考えですか。
○国務大臣(久間章生君) 褒美をやるとかそういう言い方をされますと困るんで、そうじゃなくて、やっぱりそれなりに負担をしてでも再編はやっぱり引き受けようという、そういう地方自治体に対しては、やっぱりこちらとしてもその地方自治体の、いろんな事業としてこれをやりたいというときには、それに対する交付金は出すような仕組みをつくった方がいいと思っておるわけであります。
○喜納昌吉君 交付金格差を付ければ自治体間の開発、発展上の格差が起こると思います、私は。格差づくりを進めていながら認めたがらない安倍政権ですが、地域の発展がいびつになるおそれが非常に強いんですね。この点はどうですか、久間大臣。懸念しないんですか。
○国務大臣(久間章生君) 従来の地域振興策はそのまま生きておるわけでありますから、地域振興策としては、それは地域の格差是正、そういうのも念頭に置きながらやっぱり開発をしていくわけでありまして、今度の米軍再編の問題は、米軍再編に絡んでそういうような必要性が出てくる地方自治体に対して交付金を出そうとしているわけでありますんで、地域格差の解消の問題とはまた別の視点だというふうに理解していただいた方がいいと思います。
○喜納昌吉君 従来の振興策は残すと言われているんですけどね。沖縄の施政権が米国から日本に返還された復帰以降の沖縄振興策は、沖縄と日本本土の格差を縮めるのが目的で、沖縄の全体的な発展を目指してきたと思うんですね。問題の交付金制度では、交付が特定の自治体に偏って沖縄の全体の発展という目的を害することになると思うんですけれども、どうです、この辺は。
○国務大臣(久間章生君) いや、それは必ずしもそういうふうに取るべきじゃないんじゃないかと思います。これは、沖縄に限らず、ほかの地区でもそうですけれども、訓練移転を沖縄の分を本土でやろうというふうにして引き受けてくれたところは、やっぱりそれなりに騒音は増えるわけですね。だから、そういうような地域に対してはそれなりの配慮があっていいと思うんでありまして、どうかそういうところについてはひとつ御理解を賜りたいと思うんです。
○喜納昌吉君 今回の特措法案は、防衛省が振興策を直接担う仕組みになっています。内閣府が担当している従来からの沖縄振興策とはちょっと異なり、巨額の国庫赤字を抱え、財政が極めて厳しい折、防衛省が扱う出来高払の振興策が加えられれば、従来の振興策予算は減ってくると私は思うんですね。つまり、新たな振興策は従来の振興策を合理化し削減するねらいを持つとも言わねばなりません。私はそう思っていますけれども、大臣は。
○国務大臣(久間章生君) それは、今までの振興策を担当している各部署がそれなりにまた、それがもう完成したかしないか、あるいはまた財政上の事情等もそれはあるかもしれませんけれども、そういう観点からやるんでありまして、今度の米軍再編の問題との直接の関係はございませんし、また間接的にもそれは一応それぞれ別の、何といいますか、観点からの予算でありますから、区別されるものだと思っております。
○喜納昌吉君 振興策は内閣府の管轄でしたか、今現在においては。防衛省から、それじゃ沖縄のこの振興策を減らさないという注文できますか。
○国務大臣(久間章生君) そういうようなことを言ったら、それこそ大変であります。そんな、よその予算をこれは減らせなんということは、それはもう……
○喜納昌吉君 いや、減らせではなくして、残すという。
○国務大臣(久間章生君) それはもう高市担当大臣が沖縄の振興策の方の担当大臣でありまして、それはそれでやっておられるわけですから、それは私は残っていくと思います。残っていくと思います。
○喜納昌吉君 いや、だから、残っていくと思いますと言ってなくなるのが、よく、沖縄の政策の歴史ですからね。少しぐらいは、私がやりますぐらいの断言してくれませんか。
○国務大臣(久間章生君) 沖縄に対する思いは私も同じでありますけれども、防衛省の立場からそれは残しますなんということは言えないわけで、それは担当大臣が自分の所管として残す残さないかは、進捗を見ながら、その地域がまたもうある程度振興したと思えば削るでしょうし、その辺は別の角度からやられるわけでありますから、ここでの質疑の中で私が残しますというようなことは言えないというのは御理解賜りたいと思います。
○喜納昌吉君 私のその問いにずっと自信を持って心配ないとおっしゃるから、個人的に言ってくれませんかと言っているんですね。どうですか、そこら辺は。まあ、ひそひそでも、言えないということは分かっていますから。
それじゃ、IMFについてちょっと質問したいんですけれども。これは財務省なのかな。
日本は、国際通貨基金、IMFや世界銀行などの国際金融機関に出資しています。近年、ラテンアメリカなどの債務国が、IMFや世界銀行に対する債務をまとめて返済する動きが強まっています。このため、債務国から、(発言する者あり)財務省ですね、債務国から取り立てる利子を中心にして運営されてきたIMFや世界銀行は一種の経営難に陥って、職員の給料さえ払えなくなっているという実態が伝えられています。財務省はそのような実態を承知していますか。よろしく。
○政府参考人(玉木林太郎君) お答えいたします。
御指摘のとおり、IMF、国際通貨基金、あるいは世界銀行、世界銀行グループの中でも国際復興開発銀行、IBRDと言われる機関を指しておられると思いますが、これらの機関に対して日本は多額の出資をして、いずれの機関でも第二位の出資国となっております。
御指摘のとおり、近年、特にここ二年ほど、IMF、国際通貨基金の貸付プログラムは急激な減少をしておりまして、そのため、IMFの収入も減少していることは確かでございます。恐らく、来月終了する今会計年度、IMFの今会計年度は、IMFの経費予算は赤字になる可能性になっております。
国際復興開発銀行、世界銀行の方は、一千億ドルほどの貸付残高を有していて、相当規模の純益も生んでおりますので、そうした懸念はないかと思います。
○喜納昌吉君 財政状態の改善のため、出資金を増やしてほしいといった要請はありますか。
○政府参考人(玉木林太郎君) IMF、国際通貨基金や世界銀行等の国際金融機関に対する出資は、御承知のとおり、単なる負担というわけではなく、各国の発言権とも関連するものでありますことから、一般に、その機関の資金の今後の見通し、加盟国の世界経済に占める地位等に基づいて、加盟国間で長い交渉の結果合意が得られ、その結果投票に付され、そして一定期間に払い込むという手順を通常踏んでおります。現時点でこのIMFの赤字に起因する増資要請といった議論はあり得ないと思っております。
○喜納昌吉君 分かりました。
次、麻生大臣に日豪同盟の件でちょっとお聞きしたいと思っています。
麻生大臣、日本は今月十三日、オーストラリアとの間で安全保障協力宣言に署名しました。その中に、自衛隊と豪州軍の実際的な協力を強化するという文言があります。日米豪三国の戦略対話を含め、三国間の協力を強化するという文言もあります。自衛隊と豪州軍の実際的な協力とはどういうものか、質問をいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 先般、ハワード首相の訪日の際のときに、日豪首脳によって署名をされました。安全保障協力に関する日豪共同宣言というものであって、これは軍事同盟を意味するものではないということであります。
これまで、日本と豪州というのは、北朝鮮問題、それからイラクにおきまして派遣されております陸上自衛隊の警護等々を含めまして、テロ対策、災害の際の人道支援等々、様々な問題を日豪共同でいろいろ課題に取り組んでまいりましたが、共同宣言というものは、今後の日豪間の協力の進展というものを踏まえて、二国間の安全保障協力を包括的な枠組みの下で一層強化をするための作成をしたものだと理解をしております。
したがって、今後、共同宣言というものをしっかりと実施して、いわゆる基本的価値とか戦略的利益を共有しております日豪両国が、地域とか、また世界の平和と安定に更に取り組んでいけるように考えてまいりたいと思っております。
○喜納昌吉君 今回の日豪宣言は、将来にかけて重要な意味を持つと思っております。
宣言文を読むと、テロや大量破壊兵器の拡散、災害救援、感染症大流行など、人間の安全保障上の懸念など、だれもが反対できないことの背後に、将来の集団的自衛権確立に備えての布石ではないかと思われる文言が入っています。それからまた、NATOや豪州との安全保障上のこの関係強化は憲法九条を変えるのを前提とした措置ではないか、あるいは集団的自衛権を既に超えているんではないかという私には疑問があるんですけれども、よろしくお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 見解は全く異にします。見解は全く異にします。
○喜納昌吉君 見解の異なる部分をしっかりお話しいただければ。
○国務大臣(麻生太郎君) 今いろいろ御指摘がありましたけれども、将来に対しての不安ということをいろいろ言われたようにも存じましたけれども、私どもとしてはそのような考え方は持っていないということであります。
○喜納昌吉君 私が懸念していることは、同盟を結ぶことを悪いと言っているんじゃないですね。ただ、日本は法治国家だから、法をしっかり守りながらやっていくならばいいですが、法の枠を飛び出して事を進めることはいかがなものかという考え方なんですね。
今日は私の質問は、もう時間来ました、これで終わります。
どうもありがとう。
