外交防衛委員会
平成16年11月09日
○喜納昌吉君 民主党・新緑風会の喜納昌吉と申します。
平和の配当のない基地の島、沖縄というテーマで質問します。
一九八九年十一月九日、正に満十五年前の今日、ベルリンの壁が崩壊しました。その日に私のこの質問の機会が訪れたことに、何か歴史的因縁を感じざるを得ません。ベルリンの壁崩壊に続いて、その年の十二月、地中海のマルタで当時のブッシュ米大統領、現大統領の父ですね、ゴルバチョフ・ソ連大統領が東西冷戦の終結を宣言しました。それから二年後の一九九一年八月、ロシア共和国が新しい統治者として登場し、ソ連はその年十二月、消滅して歴史から消え去りました。
あのころを思い出してください。世界じゅうで平和の配当という言葉が使われました。人類の二十世紀は、第一次、第二次世界大戦と長い東西冷戦の下で終わってしまいました。冷戦といえども、アジアだけを取ってみても、朝鮮戦争、ベトナム戦争を始め様々な、様々な熱戦、熱い戦争がありました。世界じゅうで地域戦争があり、キューバ核ミサイル危機がありましたけれども、冷戦は米ソ両陣営が直接戦火を交えなかっただけの話でした。
戦争の二十世紀が終わって、人々は今度こそ平和の到来を望み、平和の配当を強く期待しました。日本ではとりわけ沖縄がそうでした。第二次世界大戦末期、沖縄は米軍の大攻勢で非常な戦場となり、幾多の人命が失われ、山河は無残に破壊されました。
その沖縄ですが、来年、米軍基地の島になって六十年となります。皆さんが十分御承知のとおり、沖縄は日米安保条約を依然支え続けています。在日米軍占有基地面積の実に七五%が沖縄にあります。日本の安全保障は沖縄の危険負担によって成り立っていると言っても過言ではありません。ならば、沖縄こそ冷戦終結後の時代に真っ先に平和の配当にあずかってしかるべきでしょう。
ところが、いつも裏切られてきました。その典型的な例が、一九九〇年代半ばの米海兵隊普天間航空基地の返還約束と引換えの名護市辺野古沿岸での大型代替基地建設という新しい重苦しい悪夢です。沖縄県民の八〇%以上が辺野古沖での新基地建設に反対しています。これは世論調査で明らかです。なのに、日本政府は沖縄の人々の意思を裏切って建設計画を進めています。この基地建設は広範な海域の自然環境の破壊を意味します。米政府も、米国民も、米国領土のこのような自然破壊を絶対に許さないでしょう。海兵隊は日本の国外に段階的に移転させ、米戦略に穴を空けることなく普天間問題を解決できるのは、多くの軍事専門家や識者が指摘してきました。米政府当局者を含め米国には、日本政府が言い出せば辺野古沖基地建設条件を排除することが可能という考え方があります。
質問します。
なぜ、政府はこれを言い出さないのですか。百歩譲って、日米が沖縄の米軍基地を安定的に運営したいならば、百歩譲ってですよ、普天間基地を無条件で沖縄に返還するという本物の平和の配当があってしかるべきではないでしょうか。小泉首相が沖縄の基地過重負担を軽減させたいというのならば、真っ先に実現すべきは、普天間無条件返還を実現させるためのSACO合意意見、合意見直しだとなぜ言えないのですか。なぜ政府は、愚かですさまじい環境破壊に目をつぶろうとしているのですか。答えてください。
○副大臣(谷川秀善君) 普天間飛行場につきましては、先生も御存じのように、同飛行場が市街地にあることもありまして、政府といたしましては一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいと考えておるところであります。そして、引き続き、平成十一年の閣議決定に従いまして、沖縄県等の地元公共団体と十分協議を行いながら、普天間飛行場の移設・返還の問題に全力で取り組んでいるところでございます。
また、従来から申し上げておりますとおり、SACOの最終報告や代替施設基本計画等を踏まえまして、早急にこれを実現すべく、これまで米側と緊密に協議をいたしているところでございます。
○喜納昌吉君 周辺住民の意見といいますけれども、八〇%の人が反対しているんですよ。その数はどうお考えなんですか。
○副大臣(谷川秀善君) その点も十分踏まえながら米側と協議を進めているところでございます。
○喜納昌吉君 その十分という意味は何ですか。その八〇%を無視する、この十分という意味はどういうお答えなんですか。
○副大臣(谷川秀善君) それも念頭に入れながら米側と十分協議をいたしておるところであります。
○喜納昌吉君 その念頭とはどういうことですか。
○副大臣(谷川秀善君) いや、ただいま申し上げましたとおり、念頭に入れて十分協議をいたしておるところであります。
○喜納昌吉君 だから、その八〇%の住民が反対しているのに、周辺の意識を考慮してという言葉がありますけれども、数字上からいいますと、当てはまらない言葉なんですね。だから、その念頭という言葉に明確な言葉を与えてください。
○副大臣(谷川秀善君) だから、ただいま申し上げましたとおり、十分念頭に入れて協議をいたしておるということであります。
○喜納昌吉君 ああそうですか。をもということですね。分かりました。
それじゃ、二番目の質問。
SACO合意の最終決定から八年もたっています。当時と国際情勢一変し、米軍は来年までには再編を実施しようと様々な検討を始めています。閣議で決まったというならば、閣議決定をし直せばよいのではないですか、外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) この委員会でも何度か申し上げて、多分、委員もお聞きをいただいていると思いますが、米軍の再編成の問題、今全世界的な規模で進行し始めているところであります。日本との間でも、どういう形でこの再編成をとらえるのか、アジア太平洋地域、その中で日本の平和というものをどうやって維持していくのかという際に、米軍の持っている抑止力、平和維持機能というものを確保しながら、同時に沖縄県の皆さん方の過重な負担というものをどう軽減をしていくのかということを一つの大きな要素としながら、今いろんな話合いをやっている最中でございます。
現状は、むしろ総論からもう一度きちんとやろうということでやっておりまして、その具体の話というところにはまだ至っていないわけでございますが、いずれにしても、この普天間のお話、先ほど来からございますけれども、これは全体の再編成の中でもちろん議論はいたしますけれども、このSACOの最終報告、そしてその後に出てきました代替施設基本計画の話は、それはそれとして今粛々と進めていこうというのが政府の基本的な考えであるということは累次申し上げているとおりでございます。
なお、先ほど来から平和の配当というお話がございました。そういう言葉が一時期、随分世の中に議論されたことは事実でございます。しかし、結局、米ソのあるいは米ロの全面的な対決という姿は確かになくなったかもしれないけれども、しかし、残念ながらこの北東アジアにおいてはまだそうした対立構造の残っている部分もございます。また、テロあるいは大量破壊兵器の拡散等々といった新しい安全保障を脅かす要素も出ている。
そういったこともやはり考えながら、私どもとしては日本の平和、極東の平和というものをどう維持発展をさせていくのかということをやはり多面的に考えなければならないと、かように考えているところでございます。
○喜納昌吉君 大臣の話を聞くと、可能性はあるということですか。辺野古は撤廃する可能性はあるということですか、日本の安全のためには、いろいろな諸問題も含めて。
○国務大臣(町村信孝君) SACO最終合意及びそれとは、最終合意とは少し違う形でこれはもういつも大田議員から御指摘をいただいておりますが、辺野古の問題につきましては粛々と進めていくという考えでございます。
○喜納昌吉君 粛々の中には可能性もあるということと取っていいんですね、それじゃ。米側は、日本政府が辺野古に移設しないと言い出せばそれは検討すると言っています。それでも辺野古移設に執着する理由は何ですか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっと私の日本語の表現がまずかったらお許しをいただきますが、私は辺野古に移転、辺野古沖に行くという話をやめるということを先ほど申し上げたわけではございませんで、粛々と進めていくと、こう申し上げました。
○喜納昌吉君 ああ、そうですか、粛々。だから、粛々というのを、その両方の語があるのかなと解釈したんですね、私はね。そのときははっきり言ってくださいね、そういう言葉を使わずに。
どうですか。米軍は造らなくてもいいと言っているんですけれども、日本政府はなぜそれに反対、執着するんですか。
○国務大臣(町村信孝君) 日米間で辺野古沖移転を不要であるという議論が出たということはございません。
○喜納昌吉君 そうですか。まあ、それならば、それはそれとして。
それでは、このSACO合意以降使われた経費は幾らで、その中で辺野古移設に関しては幾ら使われました。
○政府参考人(戸田量弘君) SACO合意以降現在までに要しました費用のお尋ねでございます。
SACO関係経費につきましては、平成八年度から支出を開始しておるところでございます。平成十五年度までに約千六百三十億円支出しているところでございます。また、お尋ねの普天間の代替施設の建設関係経費でございます。代替施設の建設に関連する経費につきましては、平成九年度から支出をしておるところでございます。平成十五年度までに約十六億円を支出しておるところでございます。
以上であります。
○喜納昌吉君 ある情報では八百四十億円ももう使ったという話もありますけれども、それは単なるうわさですか。
○政府参考人(戸田量弘君) お尋ねの金額がどのような経費を指すのか必ずしも明らかではございませんけれども、例えばこのSACO関係経費の中で沖縄県に対しまして支出あるいは計上している予算、これを見てみますと、平成八年度補正予算から平成十六年度予算までの合計が約八百四十億円、これは歳出ベースでございますけれども、ございます。八百億円を超す金額というのは、一つはこういうものも考えられるところでございます。
○喜納昌吉君 今後、辺野古の海上基地が完成するまで幾ら掛かると見積りを立てていますか。
○政府参考人(河野孝義君) 代替施設の建設工事の件につきましては、護岸、埋立て、連絡橋等の建設に要する費用、経費としまして約三千三百億円を見積もっているところでございます。ただ、この中には、いわゆる上物工事であります建物や滑走路等については現在関係機関と調整しているところでありまして、見積りには入っていないところであります。
○喜納昌吉君 とにかく、全体的にどれぐらいになるんですか、最終的な。
○政府参考人(河野孝義君) 今、ただいま申し上げましたように、工事につきましては護岸埋立て等で三千三百でございますけれども、このほかに、関連する建物がどのような、建物がどのようなところに造られるか、今後調整しまして見積もらなきゃ分からないところもございます。
調査等につきましては、今ただいま施設部長から、今まで使ったお金については十六億円という御説明をいたしました。
○喜納昌吉君 財政がこんなに逼迫しているときに、こんな大きな計画を総事業費の見通しを付けずにやみの中で進めていくというのは、非常に僕は、私は疑問に思います。まあ、これは質問ではありません。
それから、もう一つ。下地島空港に関して、一九七一年に交わされた覚書によって軍事使用はしないとされているのは大臣も承知していると御答弁されています。にもかかわらず、米海兵隊はフィリピンなどでの演習の往復に給油と称して下地島にヘリコプターを着陸させています。沖縄県も地元も毎回抗議をしていますが、そのとき政府はどのように対応しましたか、政府は。外務大臣でも結構です。
○政府参考人(海老原紳君) 今の委員の御質問は、在沖の米軍の海兵隊がフィリピンに演習に行きますときに、途中、給油のために立ち寄っているということについてのお尋ねかとも思いますけれども、米軍の航空機は、地位協定五条に基づきまして我が国の飛行場に出入りする権利を認められております。
実際の使用に当たりましては、米軍は、民間機による飛行場の使用への影響を最小限にとどめますように、空港管理者当局と所要の調整は行っておりますけれども、そもそもその地位協定五条に基づく米国は権利に基づきまして、下地島の飛行場に給油のために立ち入っているということでございます。
○喜納昌吉君 上限というのがちょっと分からないんですけれども、もう一度説明してくれます。
○政府参考人(海老原紳君) 条件と申し上げたのではなくて……
○喜納昌吉君 ああ、条件。
○政府参考人(海老原紳君) ええ、調整と申し上げたんですけれども……
○喜納昌吉君 ああ、そうですか。
○政府参考人(海老原紳君) 実際に空港を使うときには、あるいはほかの民間航空機等が使用するそのことと、例えば時間等を調整するとか、そういうことがあり得るものですから、そういう意味で空港の管理者と事前の調整を行っているということを申し上げたわけでございます。
○喜納昌吉君 今のその答弁というのは、その覚書には違反しないんですか。
○政府参考人(海老原紳君) 今申し上げた米軍が下地島空港を使うということについては、これは国際約束でございまして、国会の御承認もいただいている地位協定に基づく米側の権利の行使という性格のものでございます。
○喜納昌吉君 それは、政府側としてはもう正当な理由だということで、正当な理由に基づいているということですか。
○政府参考人(海老原紳君) 地位協定に基づく米側の正当な行為であるというふうに認識いたしております。
○喜納昌吉君 分かりました。はい、どうも分かりました。後ほどまたその辺は研究して質問します。
改善されていないということは、抗議も無視されているということではないでしょうかね。下地島空港は日本の管轄ですから、この辺は今後外務省もしっかりアメリカに強く申し入れてください。
もう一つ質問。米軍が下地島とは別の選択肢として伊江島飛行場を普天間の代わりに使用したいという情報がありますし、報道もされています。米側から伊江島飛行場を普天間の代わりに使いたいという打診はありましたか。また、政府として事実確認の調査は始めていますか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(海老原紳君) そのような打診を米側から受けた事実はございません。
○喜納昌吉君 なぜこのような大事なことを調査しないんですか、周辺住民のことを思いやるようなこの政府が。答えてください。
○政府参考人(海老原紳君) 今の御質問は、普天間施設の代替施設として、代替の施設としてその伊江島の空港を米側が使いたいということで米側から打診があったかというお尋ねだと思いますけれども、それにつきましては、そのような事実はないわけでございますので、米側に確認するという性格ではないというふうに思っております。
○喜納昌吉君 もしそのようなことがあれば抗議は、抗議はしますか。
○政府参考人(海老原紳君) 実際ないわけでございますので、仮定の問題にここでお答えするのは適当ではないというふうに思って、お答えするのは差し控えさしていただきたいと思います。
○喜納昌吉君 分かりました。
次の質問ですね。辺野古への移設案が出る前は、普天間基地の嘉手納基地への吸収合併が一番強い案でした。ここまで沖縄の世論が辺野古移設反対を唱えているのに、なぜ嘉手納統合案の可能性を今改めて真剣に探らないのでしょうか。答えてください。
○政府参考人(海老原紳君) これは、先ほども町村大臣、谷川副大臣が御答弁したとおりでございまして、政府の方針は一貫しておりまして、平成十一年の閣議決定に従いまして、普天間施設の移設・返還を一日も早く実現するということでございますので、今御質問のような案につきまして、改めて政府が検討しているということはございません。
○喜納昌吉君 一時的措置として下地島や伊江島に普天間基地を移設するより現実、現実的だと思いますが、どう思われます。
○政府参考人(海老原紳君) 一時的という意味が、辺野古の代替施設が完成するまでの間に普天間飛行場を閉鎖いたしまして下地島空港を使用するということであれば、そのような案を米側から打診されたという事実はございません。
○喜納昌吉君 そのお言葉が本当になるように、下地島空港が将来トランスフォーメーション、アメリカのトランスフォーメーションの一つの計画の中に組み込まれないように願う思いで、今の質問は収めていきたいと思います。
それから、今度の政局で、次の衆議院の政局で、決して普天間基地や辺野古をサプライズとして使わないように、沖縄県民をだまさないようにお願いします。
次に移ります。国連安保理常任理事国入り問題、ちょっと。
政府は、このところ極めて積極的に国連安全保障理事会の常任理事国に仲間入りしようと外交活動を展開さしています。九月の国連総会の首脳演説時に、やはり常任理事国入りを志しているインド、ブラジル、ドイツの首脳らと小泉首相がそろって握手をして、国際社会にアピールしようとしたのは典型的な例です。
しかし、考えてみましょう、私たちの日本が本当に常任理事国になるのにふさわしいかどうかということをです。日本は一定の支持を得ていても、本当に常任理事国になるのを期待されているのでしょうか。小泉首相が口にしている、世界の中の日米同盟を掲げる突出方策は、日本が常任理事国になったとしても米国のお先棒担ぎになるだけだという以前からの非難を増幅させる方向で作用するのではないでしょうか。
また、現在の国連の決まりに従えば、常任理事国五か国は新たな常任理事国承認に際して拒否権を行使することができるはずです。すると、関係が特に政治面で冷却化している中国のことを念頭に置かずにはいられません。首相が掲げる世界の中の日米同盟は、憲法が歯止めを掛けてきた集団的自衛権、すなわち日米合同の自衛の名分の下での武力行使につながりかねません。その方向に日本が動けば、いや、既に動きつつあると言う方が的確ですが、日本は地元アジアで孤立していくでしょう。そんな動きは、とりわけ中国を警戒させます。既に軍事大国でもあり、米国に追従する日本を常任理事国にしようとは中国は思わないでしょう。中国は、日本軍の侵略を受けた国として当然でしょうが、歴史問題に敏感であり、小泉首相の靖国神社参拝継続に怒っています。
私は、靖国問題に関しては持論がありますが、それは次の機会に譲るとして、中国は、戦争犯罪人が一緒に祭られていることに特に怒っているのです。いいですか、ヒトラーが祭られている施設を堂々と参拝するドイツ首相がいたとしたら、ナチスにじゅうりんされた諸国が黙っていると思いますか。靖国参拝は、国際社会では似たような受け止め方をされているのですよ。それに気が付かないとは、あるいは気が付いてもなお参拝するのだとすれば、余りにも無神経だと言えませんか。首相という地位の者にとっては、参拝は日本人の自然の感情の問題では済まないのです。
さらに、日中間には尖閣諸島の領有権だけでなく周辺海域での水産資源や海底資源開発をめぐる対立があります。中国側の天然ガス採掘問題は現在進行中です。こうした中国側のやり方には、ブッシュ政権の軍事的な出方を探ろうとして中国軍部が意図的にやっているとの見方もありますが、尖閣諸島をめぐる諸問題が解決からほど遠いのは事実です。
案の定、東京で今月四日行われた日中外務次官級協議で、日本が求める常任理事国入りへの支持について、中国側は、いろいろな国が手を挙げている中で特定の国への支持を表明はしていないと支持を断りました。当たり前でしょう。日中関係は、靖国問題が重くのし掛かって首脳間の相互訪問さえできない状況なのですから。
さて、質問します。
中国に常任理事国入りへの支持を期待したのは外交的に幼稚だと言えませんか。首相が一方で常任理事国入りの思想を強く表明し、もう一方で靖国参拝をして対中関係を損なっているのは、政策上矛盾していませんか。つまり、首相も政府も本気で常任理事国になりたいのではないということですか、答えてください。
○国務大臣(町村信孝君) 総理の靖国参拝云々につきましては今の御質問の外のことかと思いますので、まあそれはそれとしてまた別途お答えをしてもよろしゅうございますが、今の御質問は、中国の賛成が日本の常任理事国入りで得られるんですかと、こういう御質問だと受け止めましたので、それについてお答えをいたしますが、委員御指摘のとおり、関係する諸国あるいは近隣アジア諸国から、特に中国は現実に常任理事国の一つでございますから、その賛成なくして常任理事国入りはできないだろうと、それは御指摘のとおりだろうと思います。
中国自身も、国連改革あるいは安保理改革ということについては、累次の場面においてそういう発言はいたしております。今のままの国連ではやっぱり機能不十分だということを彼らも認めているわけであります。そういう意味での方向感覚は日本も中国も変わりがないと、こう私は思っております。
先般、ハノイで私は中国外交部長、外務大臣ですが、とお目に掛かりまして、私の方から、国連安保理改革の必要性、それからさらに、日本は常任理事国入りの意欲を国連総会で示しましたよという話もいたしましたが、もちろんその場で明確にそれを支持しますと彼らは言いませんでしたけれども、しかし、同じ方向を向いて一緒に作業はできますねというような回答にはなっているわけでございます。また、彼らも明示的に日本の常任理事国入りに反対だと言ったことはございません。
したがいまして、今後、いろいろな場面を通じて中国の首脳、トップあるいは事務レベル、いろいろなレベルを通じて日本の常任理事国入りに中国の理解を得る努力をしていく、これは外交として当然のことであろうと、かように考えているところでございます。
○喜納昌吉君 その国連安保理のその改革の意味、方向では、どこかで一つの意思が、統一が感じられるということがあると聞きまして、それならば、なおさらもっと中国との外交に関して努力しなくちゃいけないと私は思っています。
その意味では、やはり今の政府の中国に対する外交は余りにもずさんで幼稚で、もう一つ歴史的な問題に関して、あと一つ避けているのがあるのではないかという感がします。特に、経熱政冷という言葉も中国の首脳から出ていますし、経済だけじゃなくて政治をもっともっと熱くしていく方向から、私はその常任理事国入り、強いて言えば国連の改革さえも、あるいは僕はターゲットの多い点でいいんではないかと思っています。なぜならば日本は国連の分担金を五分の一、まあ沖縄に言わせれば、思いやり予算含めれば十分に国連運営するお金を払っていますから、もっともっと主張することが必要じゃないかと思っています。そのためには、一番、当面、これは中国の問題がありますから、もっともっとしっかりやってください。よろしくお願いします。
それから、常任理事国入りを本気でもし考えているならば、余りにも国際世論に疎いと思いませんか。今大切なのは、ジュネーブにあるような国連機関本部をアジア支部として沖縄に新設する構想など日本の政策を示すことではないでしょうか。このような大きな構想を打ち出し実現させていくことこそ、常任理事国化への近道ではないでしょうか。よろしくお願いします。
○副大臣(谷川秀善君) 沖縄へ国連機関等を誘致する可能性につきましては、政府といたしましては、本年三月、内閣府において行いました委託調査の結果がまとまったものと承知をいたしております。現在、この調査結果を踏まえ、何ができるかということにつきまして内閣府において検討が行われておるものと承知しております。
外務省としても、国連諸機関への沖縄への誘致の可能性につきまして、沖縄の歴史的、地理的特性を生かして何ができるかにつきまして引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
○喜納昌吉君 いやいや、そのような計画があるのは非常に有り難いなと思っていますね。なるべく紛争をなくす方法を考えることも可能でありますので、もっともっと日本政府は知恵を絞ることを努力、お願いします。
もう一つの質問。防衛庁が十一月末にも策定する新防衛大綱に向けた部内協議で、中国が日本を攻撃する可能性について、海洋権益をめぐる対立と、一つに海洋権益をめぐる対立と尖閣諸島領有権問題、中国、台湾間の紛争からの波及の三つを具体的に想定しているということです。この事実関係をただしたいと思います。外務大臣、よろしく。
○国務大臣(町村信孝君) 防衛計画の大綱につきましては内閣で議論を始めているところでございます、また安全保障会議でも議論を始めているところでございますが、今委員が言われたような具体のことについてまだ閣僚レベルで話し合ったことはございませんし、また、そういうことはちょっと、大綱の議論の中で今おっしゃったようなことが議論になるとはちょっと思えないのでありますけれども、ちょっと御趣旨がよく分かりません、率直に申し上げまして。
○喜納昌吉君 共同通信ないし東京新聞では既に報道されていますが、それなのに政府は事実関係を把握していないのですか、外務大臣。
○国務大臣(町村信孝君) 一々の報道について、私は一々そのお答えをする立場にはございません。
○喜納昌吉君 もっともっと、特に日本は情報管理が非常に、日本政府、特に外務省に関してはアメリカの機関なのか日本の機関なのかはっきりしないといううわさもある中で、情報に関してはもうちょっとしっかりつかむぐらいの努力してほしいですね。これでは、ただでさえ悪化している日中関係に火に油を注ぐようなものだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっとその新聞記事を私は承知をしておりませんが、日中関係というのは基本的に友好的な関係にあり、様々な友好増進のための活動が行われているところでございまして、具体に、今ちょっと委員がおっしゃったその新聞記事見ていないから分かりませんが、もし中国を、どういうんでしょうか、仮想敵国として軍事的ないろいろなシミュレーションをやっているのかというお問い合わせであれば、そういうシミュレーションはやっているとは私は考えておりません。それは多分、防衛庁長官に聞かなきゃならないかもしれませんが、防衛庁においてそういうシミュレーションをやっているとも私は思いません。
○喜納昌吉君 それは、防衛庁と外務省とには一つ、コミュニケーションがうまく流れていないということの一つの現れですか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっとそこまで、委員ね、新聞記事一つでそこまでの断定をされるのは控えていただけませんか。
○喜納昌吉君 それでも、まあ意外と、外務大臣の顔を見ると分かっていそうな顔をしているんですけれども、まあこれはちょっと笑って僕も終わらせましょう。
あと何分あるんですか。それをぱっと読みます、あと一つ残っていますのでね。ブッシュ・小泉、ちょっとダブる、白さんとちょっとダブる分がありますけれども行きます。ブッシュ・小泉連携とイラク自衛隊問題。
小泉首相はブッシュ米大統領再選を受けて、世界の中の日米同盟という観点から世界の安定と平和のために両国は大きな責任を担っているという認識の下で協力していかなければならないと言いました。ところが、ブッシュ大統領は、自分の国米国で過半数を少し超えた有権者からしか支持されていません。米国の社会と政治状況は真っ二つに割れています。国際社会も、特に欧州の有力諸国は、ブッシュ政権の単独主義を始め国際社会での立ち振る舞いに嫌悪感をあらわにしてきました。アラブ諸国の多くも、米国の絶対的なイスラエル支持やイラク侵略戦争に怒りを示してきました。今回の米大統領選挙の直前に世界各国で新聞などによって世論調査のような形で実施された模擬選挙では、国際社会が圧倒的にケリー氏の勝利を願っていたことが明確となっていました。このように、米国内や国際社会で反対者の多いブッシュ大統領とその政権とともに世界の中の日米同盟を掲げるとは、余りにも単純かつ楽天的であり過ぎると言えるのではないでしょうか。
パレスチナではヤセル・アラファト議長が人生最後の日々を送っているかに伝えられています。アラファト議長が万が一亡くなれば、パレスチナで権力闘争が表面化し、しばらくは政治的に一層不安定な時期が到来する可能性が濃厚です。悪化しては膠着状態になるという悪循環を繰り返してきたパレスチナ・イスラエル情勢は、パレスチナの一層の政治的不安定化によって更に混迷の度を深める公算が大きいと言えます。
一方、イラクでは、来年一月に国民議会選挙が予定されていますが、イラク人反米勢力と外国からイラクに来ている武装勢力はテロ戦術などを使ってますます激しく抵抗してくる可能性が大です。
サマーワの自衛隊駐屯地の内側と外側に、このところ迫撃砲弾やロケット砲弾が相次いで飛来しています。何回かは内側に着弾しました。武装勢力に拉致され殺害された香田証生さんはサマーワを訪ねたいと口にしていたと伝えられ、武装勢力に自衛隊の関係者、すなわち米軍の協力者と誤解されて殺害された可能性があります。殺害される直前に星条旗の上に座らされていた事実からもうなずけるでしょう。
政府は、一つ覚えのように非戦闘地域という空虚な用語を振り回していますが、自衛隊駐屯地一帯が日々に危険になりつつあるのは客観的事実と受け止めるべきです。そんな状況の下で、世界の中の日米同盟を掲げるのはのうてんきに過ぎませんか。自衛隊員の生命をかえって一層の危険にさらす理由にはなりませんか。アラブ世界はアルジャジーラなどのメディアを通じて、今や日本の政治や社会の動きを毎日フォローしているんです。世界の中の日米同盟という首相の言葉は、イラクでは自衛隊と米軍が一体化しているということを意味する以外の何物でもないんです。
質問します。どうですか、この世界の中の日米同盟という首相の言葉と、自衛隊と米軍一体化している、言葉の安直さに、質問、お願いします。
○委員長(林芳正君) 喜納君、どういう御質問でございましょうか。
○喜納昌吉君 あっ、ごめんなさい。それじゃ、日本と周辺地域の、質問します、日本と周辺地域の安全確保が本来の目的の日米安保条約を、世界の中の日米同盟に膨脹させる権限を国民がいつ政府に与えたと判断しているのですか。
○国務大臣(町村信孝君) 世界の中の日米同盟、私は、今委員が、それは、ブッシュ大統領がなるのか、ケリーさんがなるのがいいのか、それはよその国の選挙のことですから、あれこれ言うことは差し控えたいと思いますが、現実にブッシュ大統領が勝った。しかも、その米国と日本は今非常にいい友好関係にある。日米同盟があるからこそ日本の平和と安定が保たれているという基本認識を私は持っておりまして、委員はその基本認識を多分共有されないというのでありますと、そこで大分議論は分かれてくるんだろうなと、こう思います。
その上に立ってなお、現在の日本とアメリカの関係が世界にどういう影響を持つか、どういう関係に立っているかというお問い合わせであれば、日本及び極東、その周辺は日米安保条約によって担保された形での様々な平和維持活動が行われるわけでありますし、更にそれを超えて、現在、アフガンあるいはイラク等で特別な国会での立法をもって、特にアフガンはテロ対策、テロとの戦いという目的でこの法律ができ、日本はそれを支援をしておりますし、イラクにつきましては日本の独自の主体的な判断で現在自衛隊を派遣していると、こういうことでございます。
しかし、それらをトータルで引っくるめて見たときに、それは世界の中の日米同盟という言い方をして決して間違っていないし、そのことがまた世界の平和と安定の、十分役立っていると、私はかように認識をしております。
○喜納昌吉君 分かりました。
時間はもう限定されていて、しっかり終わらなくちゃいけないんですか。
○委員長(林芳正君) はい。
○喜納昌吉君 それじゃちょっともう、たくさん質問あったんですが、省いて、ちょっと選んで質問をします。
陸上自衛隊と緊密な関係を保ってきたサマーワを州都とするムサンナ州のハッサン知事が来年一月の国民議会選挙に立候補し、国政に転出する意向があるそうです。そうすると、ムサンナ州の知事が、ムサンナ州の知事が交代します。その事実は政府は把握していますか。
○国務大臣(町村信孝君) 確たる情報ではございませんが、ムサンナ県の知事が国政への意欲を持っているという報道には接しております。そういう意向も持っている話も内々では聞いておりますが、これは余り、人様の内政のことですから、余り確認したりしなかったりという性格のものではないような気がいたします。
○喜納昌吉君 日本は新しい知事との関係、一から構築しなければなりません。また、ハッサン知事に関しては腐敗の噂があります。政府はハッサン知事の腐敗をめぐって調査したことはありますか。
○国務大臣(町村信孝君) 腐敗。
○喜納昌吉君 腐敗。
○国務大臣(町村信孝君) 腐敗の調査をされたかという御質問であれば、そういう観点の調査はしておりませんが、いずれにしても、私どもが、必要なODA等々の供与に当たっては知事とも相談をしたり、あるいは暫定政府とも相談をしたりしてやっておりますから、もし我が方のODA予算等が万が一そういう不正に使用されている懸念があるのではないかという御質問であれば、それは当たらないと思います。
○委員長(林芳正君) 喜納君、時間でございますので。
○喜納昌吉君 はい。
日本政府からの援助金が日本政府の知らない間に知事の腐敗につながった可能性はあると思いますので、これ、ハッサン知事が国政に転じた場合、新しい知事が就任するわけですが、政府は次の知事になる可能性のある人物について調査し、接触したりしていますか。
○国務大臣(町村信孝君) 私どもは、どなたが次の知事になるのか、選挙がどういう形で行われるのかは承知をしておりません。
○喜納昌吉君 もう終わります。
いや、なぜならば、あれだけの自衛隊を送って安全を保障するためには、ある程度の状況を、環境を整えて状況を読んで自衛隊の安全を図るのが私は外務省の務めだと思いますし、そういう方向でもっと努力しているのかなと私は思っただけなんですね。
それから、今日は時間がなくて質問できなかったんですけれども、次、在外公館の不正問題に関しては、時間も来ましたので次に僕は回します。よろしくお願いします。
どうもありがとう。
