内閣委員会
平成17年10月25日
○喜納昌吉君 新緑風会の喜納昌吉と申します。
私は、今回初めて内閣委員会に出席し、質問する機会を得ました。よろしくお願いします。
まず、国家公安委員長に伺います。
今年九月、沖縄県警に対テロ特殊部隊、SATが新設され、これで全国八都道府県に配置されました。沖縄配置は優先順位が高いように思われますが、沖縄県警へのSAT配置のねらいは何ですか、国家公安委員長、具体的に説明してください。
○国務大臣(村田吉隆君) SATでございますけれども、これはハイジャック等の重大テロ事件とか銃器を使用した凶悪事件に際しまして事態の鎮圧とか被疑者の検挙に当たるという、こういうことを目的として平成八年につくられたものでございまして、警視庁と大阪府警等七都道府県警察に編成されたわけでございますが、今年沖縄に設置をした、編成をいたしたわけでございますが、この理由は、沖縄は、今申し上げた七都道府県から、七都道府県にはSATがいるわけでございますが、非常に遠隔地であるということで、沖縄の重大事案に対する対処能力を高めるという観点から設置した、編成したということでございます。
○喜納昌吉君 ただ地理的条件だという感じですか。
○国務大臣(村田吉隆君) そうです。
○喜納昌吉君 分かりました。
じゃ、二つ目。警察庁は、先月、国際協力推進要綱を打ち出しました。アジア諸国での交番制度導入支援などがうたわれています。これまで日本の支援によってアジアの何か国に交番制度が導入されたのか、またアジア以外の世界の何か国に同じく導入されたのか、国家委員長、お願いします。
○国務大臣(村田吉隆君) 同じく九月に警察の国際協力推進要綱というものを制定したわけでございますけれども、私もアジアを主とする周辺諸国に対しまして、そうした、一つはこの近隣諸国との関係でそういう協力をするということが、私個人として考えても、これまでも警察の犯罪捜査という面からも人間関係ができて非常に警察の捜査能力を上げるということもありましたし、こういう国際協力、警察の国際協力の指針といいますか、これを整理するということは大変いいことだというふうに思っていたわけでございます。
〔委員長退席、理事木俣佳丈君着席〕
したがいまして、警察庁としても国際協力の基本方針を定めたわけでございます。
これまでも、アジア諸国からは研修生を受け入れると、あるいはこちらから専門家を派遣するということで積極的に支援を行ってきたわけでございますけれども、昭和五十六年からシンガポールに対しまして交番制度の導入を支援した、こういう実例がございます。平成七年以降には、シンガポールと共同してアジア諸国を主たる対象に交番制度に関する研修を実施したと。それから、平成十三年度以降には、インドネシアに対して交番制度を含む包括的な知識、技術の移転を推進しているというところでございます。
交番制度というのは、コミュニティーポリスということを特色とする我が国の警察制度のやり方の伝播という意味で大変シンボリックな制度の移転だと、こういうふうに思っておるわけでございまして、先ほども申しましたように、アジア諸国への警察の協力というのは、地域の犯罪対処能力の向上というこういうことだけではなくて、我が国との関係でも治安回復に大きに寄与すると。引き続き、交番制度の普及とかあるいは科学技術の活用、鑑識ですよね、そうした技術を提供するというようなことについても今後とも積極的にやっていきたいと、こういうふうに考えております。
○喜納昌吉君 ちょっと、考えるに当たって、今、米軍再編が行われていますよね。米軍再編とその国家協力推進要綱というのはどこかで関連していますか。
○国務大臣(村田吉隆君) いや、これは全く相互の関連はございませんで、純粋に我が国が先ほど申しましたような観点から基本方針、警察の国際的な支援あるいは協力関係についての基本方針を定めたと、こういうことでございます。
○喜納昌吉君 次に、今回の風俗法改正の主眼の一つは日本も絡む国際的な人身売買の取締りですが、正にアジア諸国の警察など政府当局との連携が不可欠です。この面ではうまくいっていますか。公安委員長のお考えを聞かせてください。
○理事(木俣佳丈君) どなた。
○喜納昌吉君 公安委員長、公安委員長。
風俗営法との、この人身売買等に関連してちょっと聞きたいんですが。
○国務大臣(村田吉隆君) ちょっとよく聞こえなかったものですから、もう一度お願いします。
○理事(木俣佳丈君) じゃ、再度、喜納君、再度質問してください。
○喜納昌吉君 今回の風俗法改正の主眼の一つは日本も絡む国際的な人身売買の取締りですが、正にアジア諸国の警察など政府当局との連携が不可欠だと私は思っているんですね。この面ではうまくいっていますかということ。
○国務大臣(村田吉隆君) 風営法の改正でございますけれども、委員が今御指摘をしていただいたように、人身売買ですね、これについて、そうした事態に対処するため、そういう犯罪が起こらないようにするための改正でもあるわけでございますけれども、私は、先ほどのような国際協力の指針を定めたということでございますが、ああいう協力をすることによって、先ほど申し上げましたように、警察の相互の、各国の、アジア諸国を主として人間関係もできるし、そういう意味では、犯罪捜査あるいは情報のやり取りという意味でも人間関係ができればやりやすくなるというふうに考えておりますので、直接目的としておるわけじゃございませんけれども、間接的には私はああいう警察の相互の協力をやっていくということが、ひいてはそうした問題にもいい効果があるのではないかというふうに思っております。
○喜納昌吉君 分かりました。
警察庁の調査などによると、全国にある国の出先機関の二割が最近一年間に暴力団や右翼などから不当に金銭などを要求される行政対象暴力が起きていることが分かりました。八百三十一機関が要求を受けたことがあり、うち五十一機関が要求に応じたということです。国家公安委員長、要求の種類やそれに応じた具体的ケース、説明してください。
○政府参考人(縄田修君) 委員御指摘のとおり、本年八月に行政機関に対するアンケート調査を実施いたしました。最近一年間に不当要求を受けたもの五百九十四機関のうち五十一機関、九%がその要求に応じたということでございます。こういった状況を見ますと、私どもとしても非常に残念でありまして、依然として暴力団等の反社会勢力が行政機関に対して不当な要求を行っているという実態が明らかになったわけでございます。
こういう実態を踏まえまして、私どもといたしましては、地方自治体に対しましては、このような不当要求に組織的に対応してこれに屈するということがないようにということで、組織全体で対応してもらうということで、コンプライアンス条例あるいは要綱等の制定をお願いしておりまして、私どもと連携を取ってやるということにしておりますし、国の行政機関に対しましても、関係省庁の連絡会議等もやりましていろんな対策を取っていっているところでございます。
○喜納昌吉君 みかじめ料も含まれていますか。
○政府参考人(縄田修君) 行政機関に対する要求と申しますのは、一番多いのは、いろいろな物品を購入してくれ、あるいは賛助金を要求する、あるいは機関紙等の購入要求と、そういう形のものが非常に多うございます。
みかじめという形は、これは風俗営業店などに対して暴力団が縄張を持っている中で要求するものでありまして、若干趣が違うものと認識をいたしております。
○喜納昌吉君 若干違うというのはどういうところが違うんでしょうか。
○政府参考人(縄田修君) みかじめと申しますのは、暴力団が自分のシマといいますか縄張の中で、それを、その中でいろいろな行われる活動に対してそこからいわゆるお金を取ると、特に風俗店、飲食店等から取るということでありまして、行政対象暴力と申しますのは、いわゆるえせ右翼とかえせ同和というようなそういう団体、あるいは暴力団等が行政機関にいろんな不当要求をして、先ほど私申し上げましたような主にそういった三点、いろんな物品の購入要求とかそういったものをして、それに応じて金銭を取るといいますか、そういうことでございます。
○喜納昌吉君 縄張というものは、その概念外して、ある程度、恐喝とかあるいは政治的癒着とかはどうですか。
○政府参考人(縄田修君) 政治、確かにいろいろな事件の関係で行政機関に対していろいろな要求をする。例えば、入札に対して、あるいはいろいろな許認可の関係等で要求をしてまいるということがございます。
そういった中には、その背景として先ほど私が申し上げました反社会的な勢力もありますし、いろいろな情報の段階、あるいは事件の関係等で様々な情報があるといいますか、委員御指摘のようなこともないわけじゃないというふうに承知をいたしております。
○喜納昌吉君 既得権を守るために、どうしても選挙のためにそういう関係がつながっていることはありませんか。
○政府参考人(縄田修君) 選挙のためと申されますと、なかなかちょっと判断しかねるところでございます。選挙に絡んでそういった行為があったというふうな事例はちょっと私ども認識はいたしておりません。
○喜納昌吉君 政府は行政対象暴力に対しどのような手を打ったのか、説明願います。国家公安委員長、もう一度。
○理事(木俣佳丈君) だれを指名ですか。
○喜納昌吉君 国家公安委員長。どのような対策を。
○政府参考人(縄田修君) 御答弁申し上げます。
先ほどちょっと先走ってお話をしたかもしれません。自治体に対しましてはいろんな条例、要綱等も作りまして、いわゆる個人対個人じゃなしに組織として対応できるということをお願いしてございますし、国の行政機関につきましては、これは十五年以来、行政対象暴力に対する関係省庁連絡会議というのを催しておりまして、各省庁からおいでいただいて諸般の諸対策につきまして打合せをいたしております。厳正に対応していただくようにということで、意思疎通をして対応いたしております。
〔理事木俣佳丈君退席、委員長着席〕
○喜納昌吉君 じっくりお願いします。
今年七月以降、海上自衛官七人、航空自衛官一人、陸上自衛官一人が大麻取締法違反や覚せい剤取締法違反で逮捕、起訴されました。海上自衛隊の場合は、警務隊ではなく神奈川県警が最初に摘発しました。海自の調査は甘かったと言わざるを得ません。国家公安委員長、警察と警務隊との連携、協力関係はどうなっていますか。
○政府参考人(縄田修君) 御指摘のとおり、今年に入りまして各警察で自衛隊員何名か大麻等で検挙いたしております。警務隊の関係につきましては、もとより緊密な連携をもって対応いたしております。逮捕いたしますと、その情報等を交換をいたしますし、あるいは薬物の鑑定の問題とか、あるいは留置の問題、あるいは捜索の場合に若干助力をいただくとか、そういうふうなことで連携をして対応いたしております。
○喜納昌吉君 今年元日以降、今日までに麻薬や覚せい剤取締法違反で摘発された警務官及び自衛官の数を教えてください。また、警察官や自衛官がそのような違法行為に走る理由や原因をどう分析していますか。国家公安委員長。
○政府参考人(縄田修君) 検挙の状況でございますけれども、神奈川県警察において海上自衛隊員六名を検挙いたしております。それから、本年一月には大阪府警察において陸上自衛官を一名、八月に愛知県警察において陸上自衛官を覚せい剤取締法違反等で逮捕をいたしております。逮捕をした者は八名というふうに認識をいたしております。
どのように考えるかということでございますけれども、これ正に防衛庁の方で十分関係者からもお話を聞かれて、分析をした上で対応されることと思いますが、私どものいろんな経験の中でいえば、若干興味本位にちょっとやってみたとか、それでどうしても止まらなくなってしまったとか、そういうケースが間々ございます。
○喜納昌吉君 どうしても身内というのは守りたいという意識が働きますので、特に今回神奈川県警が逮捕するまでに、余り海自ではしっかり調査されていなかったというものがあらわになったと思うんですね。そうであるならば、今後内部調査に関しては徹底した方針を打ち出していくということはありますか。内部調査に関して、公安委員長、どうですか。
○政府参考人(縄田修君) 内部的にいろいろな、どういう原因があったかどうか等につきまして、これ防衛庁の方でいろいろな関係者等に聴取をしていただいて分析されるものだろうと思っております。
私どもの立場としては、被疑者を取り調べた時点で、どういう経緯でこの大麻等を押収をしたのかという捜査の過程で聞くものでありまして、全体の対策等に資するような分析まで至らないというのが現状だろうと思います。
○喜納昌吉君 今後、特別な、自衛隊、あれは空軍、陸軍、海軍というのは特別な仕事だし、危険な道具を持っていますからね、やはり覚せい剤なり麻薬なりというのは、非常にこれはまあ大変だと私は思うんですけれどもね。そのようなものの職種に就いている人たちを、やはり今後尿検査であるとか血液検査をある程度強制的にやっていくということはありますか。
○政府参考人(縄田修君) 捜査を行う立場として、その尿検査等を強制的に行うということはちょっと法令的に無理であろうと思います。一部報道で自衛隊の方でやられているということも聞きますが、私どもとしましては、あくまでも容疑性が十分ありまして、例えば注射痕があるとか、非常に表情等々あるいは言動等から、これは覚せい剤を使っておるんじゃないかとか、そういった状況があれば任意で採尿等を行って、それによって処断していくと、こういうことになろうかと思っております。
○喜納昌吉君 分かりました。
また質問変わりますが、戦時中に徴用され、死亡した朝鮮半島出身者の遺骨問題について質問します。
昨年末の日韓首脳会議を受けて、この問題は初めて本格的な調査が行われ、八百六十八人分の遺骨の存在が明らかになり、韓国側に伝達されましたが、北朝鮮出身者の遺骨はどこに幾つあるのか判然としません。政府は今後徴用者の遺骨の調査をどう進めていくつもりなのか、官房長官、お答えください。
○国務大臣(細田博之君) 昨年十二月の日韓首脳会談におきまして、韓国の盧武鉉大統領から本件に関しまして協力の要請があり、本年六月の首脳会談におきまして小泉総理から、人道的観点からできる限り誠実に対応してまいりたいということを説明したわけでございます。
この考え方に基づきまして、本年五月、九月、二回にわたりまして東京で実務者レベルの日韓協議を開催し、また国内における実態調査も実施して一定の進捗が見られたわけでございます。今後とも韓国側と協議を重ねまして、早急に進展を図るべく努めてまいりたいと思います。
本年五月に開催した第一回協議を受けまして、様々な日本の、我が国の民間企業、地方公共団体、宗教団体に対しまして情報提供依頼を行ったところ、現在までに約八百五十柱強の遺骨に関する情報提供があったわけでございまして、このことも九月の第二回協議で韓国側に説明をしておるわけでございます。
今後ともできる限り努力をしたいということを表明しておりまして、なお次回の協議、審議官級でございますが、十一月中にソウルで行うということで韓国側と調整中であります。
○喜納昌吉君 この問題は、日本政府と日本企業の戦後の道義が鋭く問われていますので、よろしくお願いします。
食品安全委員会プリオン専門調査会は、今月四日、米国産の生後二十か月以下の牛の肉の安全性について、BSE病原体の汚染は非常に低いという評価で大筋合意しました。しかし、牛肉の安全性を確保するには、厚労省や農水省の責任です。政府は安全委員会の判断をお墨付きにすべきではなく、責任を持って安全性を確保すべきです。政府にその体制があるか。棚橋大臣、お答えください。
○大臣政務官(西銘順志郎君) お答えをいたします。
米国産牛肉等に関するリスク評価につきましては、本年五月に厚生労働省及び農林水産省から諮問を受け、プリオン専門調査会においてこれまで九回にわたって精力的な審議が行われているところでございます。
昨日、第三十三回のプリオン専門調査会では、米国産牛肉等のリスク評価に関しまして、国産牛肉等のリスクの差は非常に小さいとする内容のたたき台修正三次案が座長から提出され、その全般にわたり審議が行われたと承知をいたしております。昨日は結論部分につきまして慎重な意見も出ましたことから、次回も引き続き結論部分について審議が行われることになっております。
いずれにいたしましても、国民の健康の保護を最優先に、プリオン専門調査会において引き続き中立公正な立場から科学的な議論が尽くされることが重要であるというふうに考えております。
○喜納昌吉君 本当に科学的に調査してほしいという思いがあります。日本は特に外交面では八方ふさがりと今言われています。やはりアメリカに対しても毅然とした態度を持つことが、私は日本の食の安全保障に関しても軍事的安全保障に関しても私はつくれると思っていますので、この辺は妥協なしにやってほしいなと思っています。
今回の委員会の判断は、米国の強い圧力に耐えられなくなった政府の譲歩政策が作用したからという見方もあるようですけれども、ブッシュ米大統領の来日が十一月に予定されていますが、それに備えたお土産として輸入再開の方向性を打ち出したのではないかという疑問視する声もあります。
棚橋大臣、見解を聞かせてください。
○大臣政務官(西銘順志郎君) 食品安全基本法におきましては、食品の安全性の確保は、国民の健康の保護が最も重要であるという観点から必要な措置を講じなければならないとされているところでございます。その施策の策定に当たり実施する食品健康影響評価は、その時点において到達されている水準の科学的知見に基づいて客観的かつ中立公正に行われなければならないとされておるところでございます。米国産牛肉等に関するリスク評価につきましても、こうした基本的考えに基づいて現在プリオン専門調査会において精力的に審議をしていただいており、引き続き議論を尽くしていただけるものと信頼をいたしております。
○喜納昌吉君 それから、次の質問に移ります。
日米政府間の沖縄返還協定上の密約を暴いた西山太吉元毎日新聞記者を政府と司法当局は機密漏えいで罰しました。西山氏は外務省高官の偽証などで名誉を傷付けられたとして、国を相手取って損害賠償訴訟を起こしています。だれが見ても、当時の政府が密約という国家犯罪を機密の漏えいにすり替えたのは明確です。なのに、政府、特に外務省は密約の存在をそれが暴かれた一九七二年から三十三年たった今も否定しています。
日本外交が力を持たないのはこのような外交上のうそがあるからではないですか。うそを内外の人々が見抜いているからではないですか。官房長官、いかがですか。よろしくお願いします。
○国務大臣(細田博之君) あの事件というのは非常に、もう大分昔になるわけでございますけれども、非常に大きな衝撃をもたらしたわけでございます。しかし、あのときには、女性外務事務官をいろんなことで誘惑をしたりしながら情報を取ったということで極めて社会的にも問題になり、それに対する報道側の反省もあって、いろいろ社会的問題になったわけでございますが、私は、そのことと今の、あれですか、外交なり情報の問題とは直接の関係はもはやないのではないかと。
それから、情報を厳しく、漏えい等、国家機密あるいは交渉の問題を漏らすようなことについては非常に厳しい体制になっておりますし、この点は問題はないものと思いますが、絶えず情報という問題は、諸外国もいろんな諜報機関もばっこしておると言われておりますし、報道に限らずしっかりとした情報管理体制を取りながら外交を進めてまいることは当然必要だと考えております。
○喜納昌吉君 その米側から出された文書では、ほとんどだれが見ても、客観的に見ても、機密の情報があったような感じがするんですけど。外務省が密約の存在についてうそをつき続けているような感じがするんですね、私は。このような主張を続けることを公務員倫理に反すると心を痛めたことはないんですか、官房長官。
○国務大臣(細田博之君) 公務員倫理として、すべての衝に当たる公務員がきっちりと、公務によって得られた情報、特に個人情報であったり外交上、軍事上等の機密情報を外に漏らしたりして日本の国益を損なうことのないようにするということは当然のことであります。したがって、そのような場合があれば当然しっかりと対応をしなければならないと思っております。長い目でずっと二十年、三十年で見ますと、よく報道されておりますが、外国のそういう機密情報機関が日本側からいろいろ情報を取ったと、それから、それを捕まえようと思ったらもう高飛びして本国に帰ったと、最近もそんな例をちょっと見ましたけれども、そういう例もあるわけでございまして、これ十分公務員の規律としてもしっかりとした管理体制を取るべきことは当然だと思っております。
○喜納昌吉君 ちょっと、ちょっと質問が逆に取られたような感じがするんですけど。
まあ百歩も千歩も譲って、仮に密約がなかったとするならば、聞こえますか、理解していますよね。百歩も千歩も譲って、密約がなかったとするならば、この判決の中でね、密約がなかったとするならば、政府はなぜ存在しないはずの密約をすっぱ抜いた西山氏を起訴し、機密漏えいで有罪に持ち込めるのでしょうかという、僕に疑問があるんですよ、非常に、単純な。ここには大きな矛盾が私は出ている感じがするんですね。官房長官、政府の見解を明確に示してください。機密はないのになぜ機密漏えいで逮捕できるのか。信じられないです、こんな。
○国務大臣(細田博之君) ちょっとこの点については事前通告ございませんで、またかつ、もう非常に昔の事件でありますが、最近、その後どうなったのかということも私もはっきりとは承知しておりません。
ただ、あの事件が政府が責任逃れのためにいろいろやったかのようにはおっしゃらないでいただきたいんで、あの事件は非常に報道上の道徳の問題としても非常に問題になったわけでございますし、また、深い当時の事情が何かがあったのかなかったのか私も承知しておりませんので、もしまた別途御質問になりたいということがあれば、これは外務省が最も適当であると思うんですが、御質問をいただきたいと思います。
○喜納昌吉君 誘惑罪というのはあるんですか、刑法には。公安委員長、よろしくお願いします。誘惑罪というのはあるんですか。つまり女性を誘惑したということで。
○政府参考人(縄田修君) 誘拐とかそういう条文があろうかと思いますが、唆すという意味でいえば、まあいろんな労働関係で、あおり、唆しの罪とか、そういった部分、特別法で一部あろうかとは存じますが、少し念頭されるものがすぐ思い当たらないところでございます。
○喜納昌吉君 この西山太吉さんのことを追い掛けていきますと、一体どういう罪状で逮捕し、有罪になったのかが分からない、つかめないですね。そうすると、機密漏えいという、機密がなければどうして、機密がないのになぜ機密漏えいで起訴されて、そこに刑が確定するのか、そこが分からないです、僕は。だから、非常に分からないから、それを教えてほしいと言っているんですね。
○国務大臣(細田博之君) せっかくの御質問ですから調べて、当時の外務省の記録等でまたお伝えしたいと思います。その後、裁判も行われていると思いますしね。ただ、あのときの事件をまあ私が記憶で申せば、外務省の幹部の秘書であった方から公電あるいは政府の方針、これらを多数コピーを取らせたりして情報を取ったと、機密文書について漏えいさせたと、その漏えいさせたことの原因が、先ほど誘惑と言われましたけれども、いろいろな目的を持ってそういう外務事務官をだまして、そして情報を取ったということが問われたと、罪に問われたと私は承知しておりますが、ただ、余り正確でないことを申し上げるといけませんから、よく調べて外務省から御連絡するように、当時どういう罪で起訴されたのか、あるいはそれが結末がどうなったのであるかということも含めてよく説明をするように依頼しますので、よろしくお願いします。
○喜納昌吉君 なぜ私がそれを追及するかといいますと、この公文書からちょっと出た最後の文章なんですけどね、ちょっと読みますから。そこにずっと日本の司法もつかまって答えを出せないのかなという、日米同盟の限界を感じる文があるんですね。そのことを問いただしたくてこのことを追及してますけどね。ちょっと読みます。
報道機関がこの問題を本格追及し始めたら、補償問題の密約の存在を否定し続けるという日本の姿勢と同じ立場を取ることはできなくなるかもしれないと言っているんですね。しかし、密約を認めることを回避するために最善を尽くすと、回避するために。結論として我々は、返還協定では秘密合意は存在しないが、協定条項の交渉では非公式合意もあり得る、とのロジャーズ国務長官の、当時のロジャーズ国務長官の公聴会での発言に従うよう努力するというんですね。あなたは、日本ではこの問題について公式発言するのは避けるべきだという、日本の当時の官僚に言っているんですね。
だから、そのことがずっとくぎを刺されてそのことを避けているのか私は質問しているんですけどね、是非この辺を次しっかり調べて、もう一回、私、再度質問しますので、よろしくお願いします。
来年度に改定される予定の男女共同参画基本計画に、女性の力を発揮させるための基本的概念であるジェンダーという言葉を今後も使い続けるか否かで対立があります。自民党の担当組織は極めて保守的で、ジェンダーという言葉を使うべきではないとの主張です。ジェンダー論は、性差を否定し、結婚や家庭をマイナスイメージでとらえ、文化破壊を招きかねないという趣旨の反対意見を打ち出しています。
政府は、自民党が主張するように、世界的に定着しているジェンダーという言葉を使うのをやめる方針なのか、今後も使っていくのか、官房長官、お答えをいただきたい。
○国務大臣(細田博之君) 男女共同参画基本計画につきましては、本年七月二十五日に男女共同参画会議から内閣総理大臣に対して改定の答申が行われたわけでございます。そして、引き続き男女共同参画基本計画に関する専門調査会においていろいろ調査を行っておるわけでございます。
特に今問題となっておりますのは、ジェンダーという言葉についてでございまして、元はといえば、かみ砕いて言うと、この世には男性と女性しかいないんですが、日本の社会あるいは世界じゅうにおいて社会的に女性がハンディキャップを負っているケースも非常に多くて、その地位を女性が男性と同等に高める方向でこの社会を変えていかなきゃならないと。就職一つ取りましても、あるいは出産、育児のハンディキャップを乗り越えるための諸措置につきましても、やはり男性と女性の違いについては認識しながら、しかし様々な労働、雇用、社会的存在としてのこのハンディキャップを解消していくと。いろんな言い方はあると思いますが、それが基本思想であって、それをジェンダーという視点で解決しろと。
英語で言えば、性ということですが、これ、セックスという意味よりはジェンダーという言葉がいいということで国際的にも採用されているわけですが、残念ながら日本でジェンダーという言葉が全く定着してないものですから、セックスという意味、これが男女の性という意味としては使われるんですが、それよりはやはり国際的に使われているジェンダーがいいだろうということでこれまで使ってきているわけです。その訳としては、社会的、文化的に形成された性別と、これを認識しながら、かつ不当な差別等を解消するという意味で使われているわけであります。
しかし、御指摘のように、今出されている様々な疑問点は、このことをとらえて、むしろ男女は同じなんだから、どこか旅行へ行ったとき、修学旅行でも同じ部屋に寝かせたらいいじゃないかとか、更衣室を共通にしたらいいじゃないかとか、あるいは性教育を過激にやってもっと認識をさせたらいいじゃないかという間違った教育の方向に進んでいるんじゃないのかと、そのための根拠になっているんじゃないかという批判があるわけですね。
ところが、これも大きな誤解でありまして、そのようなことを推進しているんじゃないんです。男女性差、あるいはそこで羞恥心とか性に関するモラルとか、そういうものはしっかりと取った上で、社会的に見た差別ですね。日本は出産と同時に辞める女性が七割にも上っているわけです。そして、さて育児が一段落したから戻ろうかといえば、パートタイムしかないんです。そういう非常に、特別な才能と技術を持った人は別でございますが、非常にそこに社会的差別があって、アジア諸国から見ても非常に差があるし、ヨーロッパ等の諸国から見ても差があると。
これを解消していかなきゃいけない、あるいは役所の採用、会社の採用、学者、そういったところで、社会をリードするような面でも女性をもっと登用しなきゃならない、そういう認識、女性を登用しなきゃならない、採用したり登用しなきゃならないと、そういう問題認識を正しく持って書いているつもりなんでございますが、誤解もありますので、これは、誤解を解くためにはこのジェンダーという言葉をどう考えたらいいだろうか、あるいは、社会的、文化的に形成された性別といっても何言っているかよく分からないんで、もっといい言葉がないだろうかというようなことを専門調査会でも検討しておりますので、国際的にそういったことは今や誤解なく使われておるんでございますが、日本においてはまだまだ誤解が発生していることをもってやめたらどうかという議論もありますので、これは誤解に基づく扱いでございますので、誤解を解きながら正しい方向に行かないと、正に少子化、あるいは未婚化、晩婚化というもう大きな問題が社会的にも発生していますし、女性の社会的な活躍も非常に諸外国にとって劣っているのを是正することができないんじゃないかと、こういう問題認識で取り組んでいる次第でございます。
○喜納昌吉君 であるならば、まだそのジェンダーという名前を使わないということではないということですよね。まだ検討中ということですよね。
女性が専門職や国会議員などに進出している度合いを示すジェンダー・エンパワーメント指数、GEMで日本は四十三位という統計があります。この点から、まずジェンダーの持つ意味は大きいと思います。
国連人口基金、UNFPAは、今月十二日に、世界の貧困を減らすため、ジェンダーの不平等を克服して、貧困被害が集中する女性の地位向上のため投資が必要という趣旨を盛り込んだ世界人口白書を発表しました。つまり、ジェンダーの公正さということをうたっています。このように、国連もジェンダーの言葉を使っています。
古い時代に生まれ、今日では時代にそぐわなくなっている良妻賢母、まあ使い方が合えばいいんですけれども、良妻賢母論を踏まえたかに見えるジェンダー用語反対の自民党の考え方を今後しっかり教えて、世界への一つの、何というんですかね、国際協調という理念の下に整合性を求めていく考え方を是非つくってほしいという考えがあります。
それから、まあこれは私個人としての考え方なんですけれども、もしジェンダーという、女性の男女共同参画基本計画を本当に真剣に考えるならば、参議院は男性は全部やめにして女性だけにさせるという案もいいんではないでしょうかね、衆議院は男性に任せて。この辺の意見をちょっと聞きたいんですけれども。
○国務大臣(細田博之君) それは一つの御提案として承ります。
○喜納昌吉君 とにかく、まあやっぱり楽しい世界をつくった方がいいと思いますよ、私は日本は非常に可能性のある国と思っていますから。東洋の、何というのかな、知性を高めに高めて、高みにまで持ってきて、西洋のマテリアリズムというのか、技術を高みにまで持ってきているこの民族は、私は唯一この地球の、疲弊した地球を唯一立て直す、再生できる民族ではないかと思っているんですね。だから、その辺で民族主義を使ってくださるならばいいなと思っているんですよね。だから、何というんですか、国益を人類益に整合性を合わせて、それから愛国心を人類愛に高めていくぐらいの、私は自民党の民族主義が深化してほしいなと思っています。よろしくお願いします。
もうちょっと、あと一つ、どうしよう、どうしましょう、これは、(発言する者あり)分かりました。ちょっと三つぐらい続きますので。
どうもありがとうございました。また勉強してきますので、よろしく。
